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北海道厳冬期徒歩旅その9 【吹雪の中にもグルメがある】

17日目:ラッセルご参拝とニシン鍋

テントの中で目を覚ます。時刻はまだ3時。背中が寒い。後から判明したが、自分のシュラフはどうやら背中側のワタがだいぶへたっていて、かさがない…次からは使っていない服を敷いて寝ようと思う。そして6時に起床し、シュラフとマットを撤収したらご飯を炊く。

こんな感じに、アイラップに入れたお米を湯煎するとできる。すごい!

あらかじめ水に漬けておいた生米を、20〜30分ほど湯煎すると出来る。このやり方は相方さんの提案で、とても助かっている。この白米と、味噌汁とサラダを食べた。
外に出ると、明らかに昨晩より積雪が増えていた。やはり東屋の下で張っておいて正解だ。

昨日歩いた足跡もほぼない。風もなく静かな朝だ。

テントを撤収し、少し早いがホテルに入る。ロビーで待たせていただき、準備が出来次第入れさせてくれた。今日お泊まりするのは初山別の「岬の湯」というところで、これまた温泉が気持ちのいいところだ。今日は終日吹雪の予報なので、このホテルでやり過ごす。
お昼頃、特にすることもないので、近くにある神社「金刀比羅神社」へ行くことに。海辺の崖の真下にあるこの神社は、海の中に鳥居がある幻想的な神社。しかしこのシーズンは雪かきされていないため、ラッセルを強いられた。突風と吹雪の中ご参拝することに。

風と雪に立ち向かいながら進む。
凄まじい風とラッセルを抜けるとそこには鳥居が。しかしこの先の道が不明瞭なので、この位置で手を合わせた。

夜はなんとも豪華な夕食だ。

ご飯はもういっぱいおかわりしてしまった。
お鍋には、真ふぐとニシン。フグはぷりぷり、ニシンは脂が乗っていておいしい!

ここで初めて、北海道のニシンを食べた。うまい!脂身がこんなにある魚だとは思わなかった。小骨まで細く柔らかいので、噛まずに食べられてしまう。なんと美味しい魚なんだろうか…。半世紀前に途絶えてしまったニシン漁だが、調べてみると近年また日本に戻ってきたらしく、今では食べれるところもポツポツあるんだとか。これは他の人らにもぜひ食べてほしい。

18日目:吹雪く遠別

明朝に吹雪いていた風は、出発する時に早まっていた。今日はまた20キロ歩き、遠別へ向かう。天塩も目と鼻の先の位置だ。前半はアップダウンのある山の中をひたすら進み、後半は海岸沿いをゆく。途中、後ろからクラクションを鳴らされ振り返るとらどデカい除雪車がせっせと除雪しながら左手を振ってくれた。すかさず自分らも👍サイン。しばらくすると、正面からまた除雪しながら手を振ってくれた。キワキワまで除雪してくれて、非常に助かった。ありがとう!
また、向こうから走ってきた白いダンプの集団も、みんな手を振ってくれていた。特に中間にいたお姉さんなんか腕をブンブンに振ってくれていて可笑しかった。
海っぺりにでると、そこは猛吹雪と地吹雪、そして遮蔽物のない地獄のような道だ。流石の車もかなり減速している。時折、視界は50mも満たなくなり、ヘッドライトをつけたりして存在感を出させた。この突風と3時間戦い、なんとか遠別につく。

際まで除雪してくれた。この時も手を振ってくれた。素直に励みになる。
海辺では、稀にポッカり青空が見えた。

今日泊まるのは「ホテルノーザンライト」。背中がまんまるで可愛い女将さんが受付に来てくれて、とても可愛いらしい。「夏にくれば楽しいのに」と言われ、それもそうなんだよなぁとしみじみ感じる。遠別は小さい街だけど、大雪の中でも街の人らは行き交っていた。飲食店や居酒屋もそれなりにあり、コンビニだってそれなりにある。除雪車はひっきりなしに除雪していた。この夜食べたのは宿の隣にある「味のどん兵衛」。相方さんはエビ重、自分はジャンボカツ丼。エビ重はカリカリで、タレがなんとも美味しいこと。カツ丼も自分の腹を十分に満たしてくれる量で、これまた美味しい。そして安い!

相方さんのエビ重。カリふわで美味しい。自分のカツは美味しそすぎて写真を撮らずに食べてしまった。

お腹を満たしたら、宿に戻り身支度を済ませて就寝。外は相変わらずの雪だ。明日の予報は曇りだったのが雪になっている。明日はいよいよ天塩だ。心配になりながらも、この日はぐっすりと寝た。

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