かんがえこと-41
4.19
本のない朝は、別の世界を開く。
何者かになりたくて、でもなれないひとがほとんどで、気づいた、イメージは、ジャンプしたら違う世界に降りたっているところ、ジャンプすきだよね、いつも一足跳び。
4.22
時間の濃度と質量、ただ流れ着いたここまでは。気にもとめていなかったものが、綺麗に見える、無機質な駐輪場、壁のモチーフは酔っ払いには雪のように、きらきらして。
赤信号では70年代のなにかが再現、白いトレーナーが大きく肩に腕をまわす。
どこからかポップコーンのにおい、ピアノの音は夜空に弾ねかえって、はじけて。
4.24
世界が匂いの数だけあるとして、世界は何十億人の記憶、全部なつかしい。
肩までのブロンドが甘い香りをまとって追い越す、歩幅を合わせる、マルジェラの角を曲がれば知らない街の、いつか歩いた道。
時間は時計を越えて夕闇、横たわる、
ビブラフォンはビルにはねかえって響きたくて、けれどももう空気は冷たくて、鈍く消えた。
4.29
降りそうで降らない土曜の午後、あの子は傘をさして、桜が去った4月にどきりとするあのピンク、エメラルドブルーの蝶々は連休の合間に、溶けていった。
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