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絵本日記DAY1 絵本日記はじめました
9月16日(月)雨。
これから鬼のようにゴリゴリと、絵本を読んだメモをここにストックしていきます。今日はしとしと雨の、紫波町図書館から。ここの図書館の司書さんはプロフェッショナルでとってもかっこいい。屋根裏部屋みたいな、読書スペースも最高です。
それではきょうも、はじめます。
①そとごはん
この絵本のあらすじはすべて、この表紙の男の子「ボク」が物語っていますので、多くは語るまい。「そとごはん」って、すごくいい響き。谷川俊太郎さんの訳で、登場人物は「チチ」「ハハ」となっております。絵も訳もサッパリしていて楽しい。
つかれたー、今日はそとごはんにしましょう、ってがんばる日本のお母さんたちももっともっと気軽に言える世の中になったらいいな。
作・絵 ヘレン・オクセバリー/訳 谷川 俊太郎
発行所 株式会社 岩崎書店
②へろへろおじさん
ふんだりけったりな一週間を過ごした人、なんて日だ、という一日を過ごした人。お気をつけを。例えば図書館であ、佐々木マキの絵本だ、ふんふんふーん、と立ち読み感覚でページをめくっていくと、どんどんへろへろおじさんに引き込まれ、最後はほろりと涙を流してしまう。隣にいた小学生にちら見される。そんなことになりかねない絵本です。読み終わると、このへろへろおじさんが愛おしくてたまらなくなって、何度だって、会いたくなります。
佐々木マキ さく 2014年2月1日 月刊「こどものとも」発行 福音館書店
③木
まず、紫波町図書館さま。この絵本を蔵書に入れてくださったことに心から感謝しています。しかもハードカバーで....うぅ...
『おおきなかぶ(福音館書店)』の絵を描かれた彫刻家の佐藤忠良さんは、宮城県のご出身。この絵本に描かれている木は、15年以上に渡り彫刻のあいまにデッサンしたものが元になっているとのこと。
丁寧にデッサンされた木は力強くて優しくて、刻んできた時の重みを感じます。同時に、佐藤忠良さんの刻んできた時の重みも。
「そっと さわってみよう 木の こぶこぶに
こぶこぶは どんな がまん してきたのかな」
そっか、木のこぶは、がまんしてできたものなんだね。
佐藤忠良さんが木と対話して描かれたデッサンに、木島始さんのいきいきとした言葉が加わり、木に命が吹き込まれている。子どもたちにこの木を見てほしい。どんな風に感じるだろうか。
佐藤忠良 画 木島 始 文 2001年2月1日 こどものとも発行 福音館書店
④とうだい
「みさきにいっぽん とうだいがたった うまれたての とうだいだ」
やわらかなパステルカラーの空に、すっくと立つ灯台。
「うまれたての とうだいだ」というところがこの絵本の大切なところだ。
はじめてであうぎょせん、かもつせん、ごうかなふね、ぬるっとおおきいくじら。それからはじめてのふゆと、わたりどりとのであい。
物語はとってもしずかに進んでいく。だって、とうだいはどこにも行かれないから。
とうだいはじっと動かずそこにいるしかないのだけれど、出会いをとおして自分の存在価値を知っていく。
「おおい おおい あらしにまけるな とうだいは ここに いるぞ」
胸を打たれる、とはこういうときに使うんだな。
斉藤 倫 文 小池 アミイゴ 絵 2016年9月15日発行 福音館書店
⑤エミールくんがんばる
大好きトミーウンゲラー。この人は、ゾクゾクとした愛を描く天才。すてきなさんにんぐみ、ゼラルダと人喰い鬼、へびのクリクター、などなど。
それでこの絵本は、タコのエミールくんが海でおぼれているこどもを助けたり、ふねをうばうわるものをやっつけたりするおはなしです。
中身はほとんど黄緑色。黒とブラウンがすこし。おしゃれ。
今江洋智さんの日本語訳が、歯切れがよくてとってもユーモアがある。音楽がとくいなエミールくんは「ひっぱりだこ」とか、
「わるものどもをおさえつけ ふねをうごかしても てはまだ あまっている。われらのエミールは ゆうゆうとみなとにむかう」とかね。しびれるぜ、エミールくん。だってタコだからね。
やっぱり海が恋しくて、海底にもどっていくエミールくん。友達になった船長が、今度は酸素ボンベをしょって遊びにいく。興じているのはチェス!
「ふたりの ゆうじょうは、どんなうみよりも ふかかった」
ね、やっぱりおしゃれでしょ。
トミー・ウンゲラー作 今江洋智 訳 文化出版局