9 NISSAN マーチの廃盤は淋しい
再び日産販売店Mさんのもとへ
20数年くらい前の話。
父が定年退職に伴い自宅にいる時間が増えました。
いろいろと趣味や出掛けたりするのに「クルマを買ったら」ということになり、それじゃあ、って父と一緒に以前お世話になった日産のMさんのところに。
Mさんからラングレーを買い、その後他の日産店でプレセアに乗り換えたので少々気まずい思いで行きました。当時は日産のお店でもそれぞれ取り扱い車種が決まっていたのです。
Mさんは「よぉ〜久しぶり」って相変わらずに出迎えてくれました。
軽自動車が欲しかったのですが
ちょうど日産が軽自動車の扱いを始めた頃でした。
そんなに高い車はいらない(買えない)ということで軽自動車ねらいです。
甘かったですね。
具体的な車種や見積額は忘れましたが完全に予算オーバーです。
Mさんいわく「軽は値引きはできないけど売るときの値崩れも小さいよ」とのことでした。
まだ買ってもいないのに売る時のことなんか考えるほど先々を見ていません。
同時にマーチの見積もりももらいました。
意外や明らかにマーチのほうが予算内です。
最終的に、維持費はかかりますが軽自動車より力はあるし、乗りやすそうな感じでしたのでマーチ(3代目)にしました。カラーは青です。オプション ? フロアマットくらいですね。
マッチのマーチ
初代マーチは確か車名を公募で決定し、タレントの近藤真彦さんが「マッチのマーチ」ってテレビで宣伝していたのを覚えています。
実はその公募に僕も応募しました。
「マリポーサ」。スペイン語で「蝶」を表します。
まあ、当然落選でしたけど。
「マーチ」素敵なネーミングだと思います。
いろいろと「走り」の勉強になりました。
父親のクルマでしたけど結構僕があちこち乗っていました。
Mさんが「これがあるとさぁ、自分のクルマ乗らなくなるよ」って言われました。
確かにそうでしたね。これで十分なんですよ。小回りきくし、高速だってそこそこ走るし。ガソリンだって減らないし。
何せクルマに乗る「億劫さ」が全然無いんです。ちょっと極端すぎる例えですがダンプカー持っている人が、ダンプでそこのコンビニまでジュース買いになんてないですよね。
クルマの特性で「ロール」が苦手です。運転が超下手くそな僕がどうしても上手くコントロールできないでいます。
納車待ちのとき、Mさんに聞きました。
「マーチってロールする?」
Mさん
「するするーー、あはは」って
ロールもクルマからの信号。
上手くなったとは言えませんが、マーチに乗っていて
「わるくないな、」って思えるくらいにはなりましたよ。
あと、その可愛らしさから「脅威を感じさせない」「うらみをおぼえさせない」
ってあると思いました。そんなつもりなくても前のクルマに近づき過ぎてしまったり、ちょっと粗相をしてしまったとしても何となく許してもらえそうな雰囲気がありましたね。
日産車あるある?
みなさんも同じことを思っているかもしれません。
日産車って「モデルチェンジしたらカッコ悪くなった」「前のがよかった」
って。失礼ながらどんなに頑張っても初代フェアレディーZより美しいZって今後出てこないと思いますし、プリメーラやシルビアも最終型のデザインは先代には及ばなかったと思います。
やっぱり消費者ってわかるんですね。高い買い物するわけですからいくら性能がアップしてもカッコ悪いとなかなか手が出ないんですよ。
マーチも四代目になって販売台数が減りました。もちろんコンパクトカー市場が激戦となり各社も魅力的なクルマを出して来たというのあるのですが。
時代の流れか、サニーやブルーバード、セドリックがなくなったようにマーチもひっそりと姿を消して淋しく思った次第です。