悠木碧はエンドロールで待ってる

アニメを嗜む紳士淑女の皆様におかれましては、悠木碧さんという声優さんの名前は一度は聞いたことがあるのではないだろうか。

私が好きな悠木碧さんの出演作は「GOSICK」「聲の形」「幼女戦記」なのだが、他にも「キノの旅」「魔法少女まどかマギカ」「鬼滅の刃」「ブギーポップは笑わない」「僕のヒーローアカデミア」など数々の人気作品に出演されていて、今年のプリキュア「ヒーリングっどプリキュア」では主人公の花寺のどか/キュアグレースを演じてらっしゃる。

ヒーリングっどプリキュアについては以前の記事で。

何を隠そう、私は悠木碧さんのヲタクだ。そんな私が悠木碧という沼の中から貴方をこちらへ誘うべく、悠木碧さんの良さを語りたい。

私が彼女について120%の愛を語るには武装を解除する必要があるので、ここではあえて「あおちゃん」という普段の呼び名で語らせていただきたい。

あおちゃんの武器は高い演技力だ。幼女からプリキュア、可憐な女子中学生、カエルっぽい女子高生、果ては少年(?)役まで、どんな役も華麗に演じる。

その演技力の高さが現れているのが最新アルバム「ボイスサンプル」だ。ボイスサンプルとは、通常声優さんが「こんな役ができますよ」という参考資料としてHPなどに掲載するものだが、そう。このアルバムはまさに「ボイスサンプル」なのだ。収録されている11曲すべてが全く異なる声色で歌われている。なんということだろう。声優がキャラクター名義でなく個人名義で歌うことが多い今日この頃に、声優にしかできないことをやってのけたのだ。この逆転の発想とも言うべきアルバムから改めて彼女の発想の素晴らしさとそれを実行出来る能力の高さを思い知らされる。

ボイスサンプルに収録されている曲の中で私が1番好きなのは Carve a Life 。歌の中の一人称が"ボク"で、優しい、清い、声の作画が良い。非常に尊い。好き、、、、でも、counterattack of a wimpも捨て難い。弱虫の反撃がテーマの歌詞がめちゃくちゃしみる。あと私はあおちゃんの「ふ」の発音が好きすぎるのだが、サビの出だしの歌詞が1番は「振りかぶれ」2番は「ぶちかませ」なので、このフレーズの発音の美しさで心のUOがぐるんぐるん回り出す。

あおちゃんの「ふ」に関して言うと、今年のプリキュアの映画のタイトルが「プリキュアミラクルリープ みんなとのふしぎな1日」なのだが、このタイトルを言う時の「ふ」の発音が最高に良すぎてCMが流れる度にテンションがぶち上がる。最高。

脱線脱線。

彼女の変幻自在な演技力ゆえ、エンドロールまであおちゃんが演じていることに気づかなかったことがあった。

あれはまだ悠木碧の沼に落ちる前。

あおちゃんの演技をちゃんと観たのはたしかアニメ 逆転裁判がはじめてで、真宵ちゃんはすごくかわいらしい役どころだったので、悠木碧さんの声のイメージはかわいいにとどまっていた。

そんなころに観ていたアニメ、真夜中のオカルト公務員の7話で出てきた少女の声が悠木碧さんだったことに衝撃を受けた。今観ればあおちゃんだとすぐに分かるが、当時はエンドロールまで気づかなかった。ラジオで聴いていた喋り声とは全く違う声。その少女はそのシーンですごくヒステリックになっているのだが、それがあまりにもリアル。私はその時本当に驚き、また感動した。こんなにも変幻自在な声優さんがいるのか、と。

それまで女性声優には疎かったが、そこから一気に悠木碧にハマり、沼に落ちた。

そして、そんな矢先、なんとなく聲の形をNetflixで観た。映画公開時に映画館で観ていたが、あおちゃんが出ていたことは全く気づかないまま見始めた。西宮結弦めっちゃかわいいな、声誰だろ。そしてエンドロール。ええええええ、そう。悠木碧なのである。あおちゃんがこんなショタボが出せるなんて聞いてない!!惚れてまう!そして惚れた。

そう、私がハマった悠木碧という声優さんは、エンドロールでびっくりさせてくるタイプの声優さんだったのだ。

それからというものの、私はいろんな作品を見てはどっひゃー!あおちゃんじゃーん!とエンドロールドッキリを食らいまくった。あおちゃんがやっているからみ〜よっ!と思って観ても、ほんとにこれあおちゃんなんか?声帯何本あるの、、、?と困惑するが。

そして、私が知れば知るほどハマっていったあおちゃんの魅力のもう一つ、それは彼女の性格だ。

最新シングル、UnbreakableのPV撮影で、いろんなものをぶっ壊す映像を撮っていたのだが、後のインタビューで「壊してもいいという許可が降りたものとはいえ、ものは本来誰かに愛されるためにデザインされて作られたから、壊すのが心苦しかった」という話をされていた。ああ、なんて優しいんだ。パブリックイメージでは課金大好き★愉快な声優 みたいな節はあるが、あおちゃんは優しくて繊細な心の持ち主だ。闇が深いなんて言われてしまったりするけれど、あおちゃんが優しいからなんだと、沼に落ちてから気づいた。

また、文化放送のエジソンというラジオ番組にゲスト出演した際、リスナーさんに喝を入れる!的なコーナーをやっていたのだが、その中で「遅刻癖を直せない」というリスナーの「私1人が遅刻したって、、」という言葉に「遅刻することは誰かの時間を奪うことなんだ」という話をされていた。私はすごく感動した。こういうコーナーによくある台詞でばしっと適当に流すのではなく、彼女の意見をはっきりと主張していて、彼女の厳しさの中の真面目さを感じた。

強い意志とまじりっけのない優しさ、そして高い演技力。役者として、人として、あおちゃんは本当に素晴らしい人間なのだ。


私の推し遍歴の中では「かわいいね、お小遣いいる?」と誰彼構わずおばあちゃんにしちゃう系の男の子(2次元)や「生まれてきてくれてありがとう」と言わしめるほど顔がいい男の子(2次元)が多かった。でもあおちゃんはちがう。推しでありながら私の憧れの人だ。

どこかで聞いた話だが、人間の脳は否定形を理解できないらしい。悪い大人をみて「あぁはなりたくない」と思うと、脳は勝手にその人物に近づこうとしてしまうらしい。まったく迷惑な話だ。だが、人間には簡単な対処法がある。憧れの人物を見つけることだ。「ああいう人間になりたい」という目標を定めることで人間は成長できる。

だから私にとって悠木碧さんは憧れの人間だ。

彼女のように、自分に厳しく、人に優しく、どこまでも真っ直ぐで、悪いことは悪いと言える大人になりたい。自分の弱さや迷いを行動力に変えて大きく羽ばたいていける人になりたい。

私にはあおちゃんのようなすごい演技はできないけれど、自分のフィールドであおちゃんのような人間になることを目指している。そしていつか悠木碧と同じエンドロールに載れるように。


悠木碧さんお誕生日おめでとうございます。

2020.3.27






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