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ブロックチェーンゲーム会計実務.01


◆要約◆
2023年の税制改正により、暗号資産を発行する国内企業は増加すると予測されています。
本稿では資金決済法に精通していない方でも利用できる判定チャートを記載しています。


0.はじめに

増加する暗号資産
2023年の税制改正に伴い、自社で暗号資産を発行する国内企業の増加が予測されます。
しかし、「具体的にどのようなものが暗号資産に該当するのか?」という疑問に、コーポレート部門や会計の専門家として自信を持って答えられる方は、まだ少ないのが実情です。

このような背景を鑑み、本稿ではブロックチェーンゲーム(BCG)を題材に、トークンの会計処理について解説していきます。

想定読者
本稿は以下のような方々を想定しており、基本的な内容となっています。

コーポレート部門
・事業部門から質問を受ける方
・外部専門家に正確に伝達したい方

事業部門
・コーポレート部門との議論が空中戦になる方
・外部専門家に正確に伝達したい方

公認会計士
・暗号資産のニュースを目にする方
・経理から暗号資産の質問を受ける方
・監査役と暗号資産の話題になる方


1.BCGとは

(1)定義

本稿においては、「トークンを利用したゲーム」と簡便的に定義します。

(2)特徴

BCGには、トークンと称されるゲーム内通貨が複数登場します。
これらのトークンのうち一定の要件を充たすモノが暗号資産として取り扱われます。

(3)会計に関係する部分

BCG内で使用される各トークンが会計処理に関係します。


2.そもそも暗号資産って何?

(1)定義

暗号資産は資金決済法で定められています。

この法律において「暗号資産」とは、次に掲げるものをいう。
ただし、金融商品取引法第二十九条の二第一項第八号に規定する権利を表示するものを除く。
 物品等を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値(電子機器その他の物に電子的方法により記録されているものに限り、本邦通貨及び外国通貨、通貨建資産並びに電子決済手段(通貨建資産に該当するものを除く。)を除く。次号において同じ。)であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの
 不特定の者を相手方として前号に掲げるものと相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの

資金決済法第2条 第14項

(2)法律を理解する必要あるの?

(筆者と同じように)多くの方々が、法律が関わると弁護士マターとみなして避ける傾向があるかもしれません。

しかし、ゲームの会計処理においては、資金決済法を理解しないと正確な会計処理を選択することが難しくなります。円滑で正確な議論を行うため、資金決済法の基本的な理解は必須となります。


3.資金決済法の判定チャート

資金決済法および「事業者のみなさまからよくあるご質問」(FAQ)に基づいて筆者が作成

(1)判定チャート

BCGにおけるトークンの主なカテゴリーを示しています。

(2)暗号資産

判定チャート上で暗号資産は一番左に位置しています。暗号資産が意外とシンプルな位置付けという事が視覚的に理解できます。

(3)実務上の対応

基本的には上場していたら暗号資産

暗号資産が充足すべき「不特定多数と売買可能」という要件については、暗号資産取引所に上場しているかどうかは非常に重要な要素となります。

※ 詳細な判定については条文をご確認頂くか弁護士にお問合せください。


4.さいごに

(1)困った時の対応

今回はBCGを題材に資金決済法の判定チャートをまとめました。
判定に際しては判断の要素も多いことから、法的な整理よりも会社が選択したい会計処理から議論されることも珍しくありません。

<サポートしています>
BCG含め、会計処理や監査対応でお困りの方がいましたら、私どもでサポート致しますのでお気軽にお問い合わせください。
お問い合わせフォーム:KOTOBUKI会計株式会社 (google.com)

以上

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