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【短評】「ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ」もはやミュージカル映画でもなく…

もはやミュージカル映画でもなく…というのは暴論かもしれないが、あまりにそのミュージカルシーンがお粗末だったのが一番の残念ポイント。

いちいち物語をぶった切ってくるし、魅せ方がワンパターン。しかも全てはアーサーの妄想の世界。妄想なんだからド派手にやっても良いような気がするが、魅せるような画もない。それが辛い。せっかくガガを起用しているのにこれでは、「ハウス・オブ・グッチ」で見せた名演にも到底及ばない。

物語も1作目の語り直しのような内容で(しかもたいていは1作目を見れば分かること)、「アーサー自身に魅力がないから、わざとつまんなく作って正解」という向きもあるが、つまんないのを面白く見せることはプロなのだから出来るはずで、その作り手のコンセプトをこっちがそこまで汲みする必要はあるのか。

どうせなら前回もスコセッシをオマージュしたように「ニューヨーク・ニューヨーク」やコッポラの「ワン・フロム・ザ・ハート」のように派手で外連味あふれる仕上がりにしてほしかった。

尻すぼんでいく展開に「フォリ・ア・ドゥ(ふたり狂い)」のサブタイトルも虚しいだけである。


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