シェアリングエコノミーは、ロシアンルーレット?

タクシーや民泊などクラウドとモバイルの活用によって、便利で安価に色々なサービスを活用できる様になってきています。

海外で Uber や Grab Taxiなどおっかなびっくりお世話になって印象は悪くなかったというかむしろ良かったのですが、国内のシェアリングエコノミー型レンタカー会社で災難に遭いました。

レンタカー会社の事務所がない野ざらし駐車場に置いてある車に前の利用者が有人ガソリンスタンドで満タン・ゴミ出しをした物を返し、次の利用者が新しい傷が無いかチェックをして借りるという、レンタカー会社の人が介さなくても回るビジネスモデルを取っていました。

車の鍵の受け渡しは、運転席の取っ手に掛けるダイヤル式の南京錠で行います。次の借り手がメールで送られてくる南京錠のナンバーをあわせると解錠され、南京錠のケースから車の鍵が出て来る仕掛けでした。鍵を取り出し、荷物を積み込み、既にある傷の写真を参照しながら新しい傷を探してあればスマホで撮影しメールを送れば出発です。

排気量も大きくない車なのに転がる様な加速がなく、ジワっとアクセルを踏んでもガッツンと後から加速される様な状態で通りに出る前から既に運転しにくい感じでした。高速道路に乗るとすぐにまっすぐ走らない事に気がつきました。パーキングエリアでタイヤを見るとどうも左前の空気圧が低そうに見えたので、ガソリンスタンドで空気圧をみてもらいました。4輪とも空気圧が低くタイヤもツルツル。特に気になっていた左前は圧が低くてかなり危ない状態でした。

ガソリンスタンドの方が『酷いレンタカー会社だね、このままだと危ないから点検しましょうか?』と言ってくれたので、少しハンドルを切って端に寄せようとしたらタイヤの内側に大きな亀裂を見つけました。

整備不良の車を借りたという事で、早速レンタカー会社に電話をします。自動音声で「事故報告は1」、「車に乗る前の問合せは2」、「車に関する質問は3」、「その他急ぎの連絡は9」と言う事で迷わず9を選ぶとすぐに電話が切れました。何度かやってみると2, 3, 9 にはつながらない事が分かりました。どこまで人件費を削っているんだ!と頭に来ながら、まだ事故になっていないけど1を押すと損保会社につながりました。

保険会社の方に事情を話すとレッカーの手配をしてくれて、一人2万円まで公共交通機関の移動を保証してくれると説明を受けました。引き続きレンタカー会社とこの後どうするか話してくださいとの事でした。先ほどのアフターサービスに電話しても損保会社にしか繋がらないので、営業窓口に電話をして(それも自動応答)、新規予約申し込みの営業担当者に無理矢理コールバックをお願いしました。レッカー車でレンタカーを運んで高速道路から降りる時にやっとレンタカー会社の担当者から電話がありました。

このケースから学べた事をまとめてみます。

1. 人の手を介さないレンタカーで気をつける事は、清掃ではなく整備

2. 多少の問題が起きても自力で解決できる日本人の新規客が狙われています。アフターサポートに力を入れていないのは、訪日客含め需要が旺盛な地域での強気なやり方です。車検時の整備以外はしていないんじゃないかと疑うし、事故で保証を待っている様にも感じる。少なくともリピーターを狙っていないはずです。

規約をよく読むとパンクの修理は利用者負担になっており、今回の様な外からよく見えないタイヤの内側だと厳しいです。乗る前に電話しても繋がらないので、まともな自衛手段は多くありません。

3. シェアリングエコノミーは、持ち主と利用者がリスクを分け合って成立つモデルであって、胴元がやり方だけを真似してコストを掛けないやり方は利用者に安全リスクを押し付けているだけです。現に北米の都市では、Uberの方がタクシー会社より安全感があると東海岸の同僚は言っていました。何故かと言うと会社の車ではなく自分の車を運転しているからドライバーの運転が慎重なのだそうです。

旅にトラブルは付き物ですが、不必要なリスクを負う必要はありません。レンタカーに限らず安全ではない物にお金を払うことを避け、安全な旅を続けてください。

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