温州みかんのコアントロー風味
エルブジというレストランの賄い料理をまとめた本『ファミリーミール』に掲載されているマンダリンオレンジのコアントロー風味をアレンジした温州みかんのデザートです。お客さんに出す料理であれば薄皮を剥くのでしょうが、賄い料理なのでそのまま使っているところがポイント。
温州みかんはハウス栽培のものが手に入ると思います。もちろん、旬の時期まで待ってもOK。3個用意して、2皿分です。一人一個で、残りの一個はソースになります。
必要な機材はジューサーミキサーです。ジューサーはおろし金のような刃が回転し、果物や野菜をすりおろす→遠心分離によってジュースと絞りかすをわける調理器具です。にんじんのジュースをつくって、加熱したにんじんと一緒にミキサーで回せば水やブイヨンを使うよりも風味の強いスープになりますし、搾りたてのにんじんのジュースを煮詰めて、バターで仕上げるだけで、魚料理のソースになります。(ミシェル・ブラスのレシピですね)
もっともミカンのようなやわらかい果実であればガーゼで包んでポテトライサー(マッシュポテトを作る時に使ったもの)で潰せば果汁自体は簡単にとれます。にんじんの場合はおろし金ですりおろしてから同様に絞ればいいわけです。
とはいえ、労力はかかるので、買ったほうが楽なのは確か。
絞りかすは普通捨ててしまいますが、界面活性作用のあるセルロース(とペクチン)を含んでいるので、なにかに活用できそうです。捨てる前にちょっと考えてみたいところですが、今回はとりあえず先に進みます。
ざっくりと器に盛り付けたら、コアントローを小さじ1と洗双糖やきび砂糖などの精製度の低い砂糖を少量振りかけます。
コアントローの代わりにグランマルニエやブランデーでもいいでしょう。
絞ったみかんジュースを注ぎます。
室温に10分置いてやわらかくしたバニラアイスクリームをざっくりとすくってのせます。丁寧な形にしないあたりが賄い料理っぽいですね。バニラアイスクリームはレディボーデンのものを使いました。素朴でシンプルな料理ですが、搾りたてのみかんジュースとコアントローの香りが混ざり、なかなかのおいしさ。こういうデザートをさらっと出せるとカッコいいですね。