鯵の南蛮漬け、一手間かけた作り方
鰺の南蛮漬けは初夏にぴったりのメニュー。今日はいつもより一工程多いレシピをご紹介します。
鰺の南蛮漬け
豆鰺 8匹~12匹
新タマネギ 1個
南蛮酢
みりん 100cc
酒 100cc
グラニュー糖 30g
濃口醤油 100cc
酢 100cc
出汁 100cc
唐辛子(輪切り) 1本または七味唐辛子 レモン スダチなど 適量
まずは豆鰺の処理から。頭をつけたままでもいいのですが、今日は落とします。小さい鯵ならはさみでチョッキンが簡単。ちなみにまな板にはA4 のコピー用紙を敷いています。
次にこんな風にはさみでお腹を切って、内臓を取りだします。その後、お腹の内側をよく洗ってからキッチンペーパーで水気をふきとります。ここまでが水洗いという工程です。
ゼイゴもこんな風にはさみで切ることができます。多少、残っていても南蛮漬けは揚げるので特に大勢には影響しません。
丁寧にするなら包丁でせいごをとります。この工程は包丁の刃が自分の左手を向くので、手を一番切りやすい作業です。決して力を入れないように注意しましょう。
新タマネギは繊維にたいして直角に薄切りにしてきます。大きめの角切りでもおいしいのでお好みで。
さて、南蛮酢をつくります。酒とみりん、砂糖をあわせて火にかけます。酒 のつまみなら砂糖は入れません。アルコール分を飛ばすためですが、火がつくので注意。
醤油と酢、出汁を入れて一煮立ちさせます。
ところで通常、魚料理には鰹節をいれると魚の味が重なるから、という理由で昆布だしを使います。しかし、南蛮漬けは揚げ時間が長く、魚の水分が失われてしまいがち。そこで味を補うために、あわせ出汁を使います。
熱い南蛮酢をタマネギと唐辛子の入ったボウルに注ぎます。これで南蛮酢の準備は OK。
次にフライパンに油を熱して、魚を揚げますが、この時、並行して鍋でお湯も沸かしておいてくださ い。
揚げる前にもう一度、ペーパーで魚の水分をふきとり、お腹の内側を確認しておきます。油がはねる原因となりなるので、血合いもちゃんと拭きましょう。表面に片栗粉を薄くまぶして……
フライパンに1センチ~1.5センチくらいの油を入れ、中火にかけて160度くらいになったところから揚げはじめます。
表面がこんがりと色づけばOKです。ここから一手間です。ここで鯵が揚がった端から南蛮酢に落としていくのが普通の作り方。じゅわという音が楽しいのですが、 今回ご紹介するのは違うアプローチ。
網じゃくしなどでさきほど沸かした湯に揚がった鰺をくぐらせます。沸騰した湯に鰺を入れると、じゅわっと激しく泡立つので、それだけでOK。長く湯につけると風味が逃げます。短時間で本当にくぐらす程度です。沸騰した湯の表面に油とアクが浮かんでいるのがわかります。この一手間で澄んだ味になります。
熱い南蛮酢に漬けます。そのまま1時間ほど放置して、あら熱がとって冷蔵庫に。一晩置くと、骨までやわらかくなっています。
最後、食べる直前にレモンやすだちなどの柑橘を搾ります。レモンなら半分、すだちなら1 個分の果汁です。酸味は複雑なほうが美味しいもの。酢の酸味は酢酸によるものですが、柑橘のクエン酸が加わると爽やかな後味に変わります。
出来上がり。仕上げに七味を振ります。南蛮酢に油が浮いていないことがわかりますか? 鍋の湯にくぐらすのが面倒なら揚がった鰺をざるにいれ、上からお湯をかけるだけでも油は落ちます。
南蛮酢は三杯酢に日本酒と出汁を加えて薄めたものに唐辛子を加えたもので、覚えておくと色んな魚に使えます。アレンジするなら唐辛子の仲間であるピーマンを加えてもいいでしょう。 相性は抜群です。
撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!