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切り方で味が変わる〈ホタテのカルパッチョ、シブレット風味〉

ホタテの旬は2回あり、一度目は産卵後の5〜8月にかけて貝柱が大きくなる初夏と、産卵前の冬。とはいえ養殖の冷凍物が出回っているので年間通しておいしく食べることのできる優等生食材です。昔は30cmくらいの大きな天然物が穫れたらしく、今でも大事に保存している貝殻だけは見たことがあります。今では一年もの10cm〜二年もの15cmくらいが普通

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2人前でこれくらいの分量。今日はシブレット風味にしました。

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シブレットというハーブはネギの一種。あさつきに似てますが、それよりもちょっとだけニラっぽい香りも混じっています。スーパーでの入手は難しいので鉢で育てるのがオススメです。窓際においておけばわさわさ伸びてきます。

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シブレットのみじん切りと生クリーム大さじ2、好みで塩ひとつまみをまぜあわせてソースにします。このソースは生のエビにもよくあいます。シブレットがない場合は香りは違いますが、セルフィーユやパセリでもいいでしょう。さて、ホタテのカルパッチョ、最大のポイントは切り方です。

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よくこんな風に薄切りにしてしまいますが、これだと繊維が断ち切れてしまい食感が弱くなります。(加熱するときはこの切り方です。ロブションさんの帆立貝のキャビア風味が有名)

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カルパッチョのオススメは繊維を残すように縦に薄切りにすること。

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これだけで食感がまったく変わってきます。

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お皿に並べて、オリーブオイルを少しずつ、けれどまんべんなくかけます。

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塩を振りたいところなのですが、ホタテの身はデリケートで、塩を振るとその部分に斑点ができてしまいます。それをさけるために薄口醤油を少量振りかけます。醤油の量はお刺身で食べる量よりも控えめを意識してください。

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ホタテのまわりにシブレット入りのクリームを流し、セルフィーユを散らします。畑にあったマリーゴールドも散らしました。切り方を意識するだけで印象が大きく変わる料理です。ホタテの量を控えたい場合はラディッシュやカブの薄切りを交互に並べる手もあります。アツアツに焼いたカンパーニュのスライスを添えて、贅沢な前菜に。

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樋口直哉(TravelingFoodLab.)
撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!