小豆の炊き方
小豆を炊いて、最後に小豆がゆにして食べます。小豆がゆは小正月に食べる料理でまったくの時季外れですが、小豆があったので……ちなみに小豆がゆはちょっと食べてみると小豆の意外なおいしさが発見できます。小豆はいつも甘くして食べる機会が多いですが、塩味もなかなかイケます。
大豆などは前日から水に浸けておかないと炊きはじめることができませんが、小豆は水に浸ける必要がないので思い立ったらすぐに煮ることができます。大豆は全体から吸水しますが、小豆はへそからしか水を吸わないため、加熱で皮を柔らかくして全体から吸水させたほうが合理的だからです。
ちなみにセオリーを破って小豆を水に浸けてから炊くと、皮が破れやすくなります。デンプンが水を含んで膨張するからです。というわけで小豆は水に浸けずにそのまま炊きましょう。
小豆150gとたっぷり目の水を加えて中火にかけます。
沸騰してきたら、水を切りますが……
デンプンは急に冷やすと硬くなったり、ザルにあけると皮が傷ついて割れる原因になるので、水を加えるようにします。これが渋抜きという工程です。とはいえ、抜ける成分は健康に良いポリフェノール。渋抜きはしすぎない方がいいでしょう。昔は何度もしていましたが、最近はあえて渋抜きせずに餡を炊いているという和菓子屋さんも聞いたことがあります。
鍋に戻してかぶるくらいの水を維持しながらコトコトと弱火で炊いていきます。45分程度でやわらかくなるはずですが、古い豆の場合は1時間くらいかかるものもあります。
塩や砂糖を加えると豆から水分が抜け、硬くなってしまうので、甘くしたい場合は必ずやわらかくなったのを確認してからにします。ちなみに面倒であれば魔法瓶に熱湯800ccと渋抜きした小豆を入れて蓋をし、8時間放置しても煮小豆になります。
お粥の上に煮た小豆を載せれば小豆粥です。この時、小豆の煮汁を加えるのがおいしさの秘訣。
ぜんざいにするなら砂糖150gを加えて、加熱していきます。
まあ、この程度でしょうか。塩を入れると対比効果で甘みが強調されますが、入れない方がすっきりとした味になります。個人的には塩を入れると田舎っぽい印象になるので、入れないほうが好みです。