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発酵ラボ〜第5回 乳酸発酵の基本 乳酸発酵ブルーベリー〜

第3回で乳酸発酵を料理に取り入れるポイントを「甘みを減らし、酸味を増やす」と書きました。今回の乳酸発酵ブルーベリーはその典型的な応用例。フルーツの甘みを酸味に変えることで複雑な味にします。

このブルーベリーの乳酸発酵。blueberry lacto ferment とグーグルで検索するとやたらとレシピが出てきます。NYTIMESの『レネ・レゼピのようにブルーベリーを発酵させるには?』という記事の影響かもしれません。

ザワークラウトは水が上がってくるまで時間がかかったりして、失敗することがまれにあるのですが、果物は水分が多いので、まず失敗しません。しかも、今回はオリジナルのレシピからさらに失敗のリスクを減らすべく〈冷凍ブルーベリー〉を使います。ブルーベリーを冷凍→解凍することで細胞が壊れ、水分が出てくるので、空気を遮断した状態がつくりやすいのです。(それに生よりも安いし)

冷凍ブルーベリー 200g
塩        4g

今は冷凍ブルーベリーが簡単に手に入るので、今回使った商品とは違いますが、一応amazonリンクを貼っておきます。

冷凍ブルーベリーさえ買ってくればあとは袋に入れて、塩をまぶして、空気を抜きながら封をしたら(真空包装機にかけても水に沈めてもどちらでも)常温で発酵させるだけです。目安は24℃で5〜7日間。

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ブルーベリーは糖分が多いので、3〜4日目くらいから袋が膨らみます。破裂する危険性があるので、膨らみ始めたら袋の口を切り、その際に味見をします。前回のザワークラウトはpHを終了の目安としましたが、ブルーベリーの場合、目安となるのは味です。というのも発酵が足りない状態=糖分が残っている状態〜充分発酵した状態=酸味が強い状態まで使いみちによって、終了の目安が異なるからです。

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ミキサーにかけて、ピュレにします。不思議なことにここまで発酵させると強い塩気は感じません。ちょっとしょっぱく、そして酸っぱい感じです。フォンドヴォー+赤ワインと混ぜてソースにしたり、という使い方がいいんでしょうね。

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nomaの本にはヨーグルトに加えるアイディアが掲載されていますが、それよりもオススメは炭酸水で割ることです。ピュレにした後、冷蔵庫で保存していても発酵は進み、最後には甘みがほとんどなくなり、味には二酸化炭素の刺激が加わってきます。それを炭酸水がなかなかあうのです。食中ノンアルコールドリンクの提案としてどうでしょうか。

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樋口直哉(TravelingFoodLab.)
撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!