トウモロコシの加熱実験
旬のトウモロコシが安くなってきました。
早速茹でて食べたいところですが、いくつかの説があるので実験していきます。まず1つ目の説
皮ごと茹でたほうがおいしいのは本当か?
皮付きで茹でると旨味が逃げず、ヒゲの色素によって、コーンの色が鮮やかになる、という説です。ヒゲに色素があるのはわかりますが、それが一緒に茹でることでどうしてコーンの実の色に影響するのか、かなり怪しい……しかし、なんでも実験してみなければわかりません。
1%の塩分濃度で水から加熱、沸騰後、弱火に落として5分間茹でて状態をたしかめました。粒が水分を含んでふっくらするので、トウモロコシは水から茹でるのがセオリー。
水の量、塩分濃度は同じです。
ゆであがり。水の量によって、沸点後の加熱時間は異なるので注意。浮いている部分が加熱されない場合はアルミホイルなどで落とし蓋をしてください。
状態の比較です。右が皮つき、右が皮なしで茹でたものです。見た目にはまったく差がありません。味もまったく同じ。皮ごと茹でた方が旨味が逃げない説はどうやら怪しいようです。
唯一のメリットは皮がラップの代わりになること。ちなみにトウモロコシ、茹で上がったらすぐにラップをします。ラップをした状態で冷まさないと実から水分が抜け、シワが寄ってしまうからです。皮付きの状態で茹でればラップの必要はないかもしれません。ただ、食べる時にヒゲをとるのが面倒ですが……。
続いてトウモロコシ農家から聞いた情報をテストします。あるトウモロコシ農家の方は「30分茹でるとおいしくなる」というのです。「30分茹でると香りが急に甘くなり、芯から旨味が溶け出してよりおいしくなる」そう。
たしかにトウモロコシの風味は芯にもあるので、これは期待出来そうです。ちなみに、トウモロコシの芯は通常、出汁(ストック)をとるのに使います。
できました。水から加熱して沸騰後、30分茹でたトウモロコシです。
早速、味見。しかし……残念ながら結果は誤差の範囲。芯から旨味が出て、という具合にはいかず、普通に茹でたのとあまり変わらないようです。そもそも、スイートコーンはデンプンが少なく、糖分の多い品種。加熱に工夫をするメリットはあまりなさそう。
一番、トウモロコシの風味が強かったのは電子レンジで調理したもの。(軽くラップで包み1本あたり600wで5分、割り箸で浮かせると均一に加熱できます)茹でると風味が水に溶けますが、レンジ調理だと味が凝縮するのでしょう。
しかし、レンジ調理にも弱点があって、塩味が均一に含まないこと。そのためやや物足りなさもあります。結論的には料理に使うならレンジ調理、そのまま食べるなら、皮を剥き、1%の塩水で水から茹でる加熱がベター、というもの。
トウモロコシの甘い香りは硫黄化合物系の成分。そのため、同系統の香りを持つ乳製品と相性がいいとされます。バターと組み合わせたり、焼いて香ばしさを出すなどしたほうがトウモロコシの風味を味わうには良いでしょう。
撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!