青森の新米のPR
新米のシーズンです。平成は米の新品種が次々と生まれた時代でもありました。そのあたりについては以前、記事にも書いています。
今年は縁あってJA全農あおもりさんからお米を頂きました。
以前から米どころとして知られている新潟、「あきたこまち」で知られる秋田、「ひとめぼれ」を生んだ宮城、「つや姫」でブランド化に成功した山形などと比べると圧倒的に地味な存在の青森。
昔の青森は北海道と並んで「米のおいしくない地域」とされ、お米屋さんでは増量用や業務用の米として扱われてきました。北海道はそのイメージを払拭することに完全に成功しましたが(むしろ今の北海道は全国でも屈指のおいしい米の産地です)個人的には青森はまだまだという印象があります。
そ写真の「つがるロマン」は平成9年に初出荷された品種。それまでの青森の米は「耐冷性と収穫量に優れた……」みたいな消費者にとってはあんま関係ない話が多かったのですが、このお米はそれを変える食味のいいもの。血筋としては「あきたこまち」系なので和食と相性のいいあっさりめで、青森のお米をレベルアップさせた存在と言えます。
パッケージと名前には少々難がある気がしますが、業務用として人気があるのは「なるほど」という印象です。あと、冷めても食味が落ちないという特徴があるので、お弁当をよくつくる家庭に向いています。
一般消費者にインパクトがあったのは平成27年にデビューした「青天の霹靂」という新品種でしょう。
青天の霹靂も食味ランキングで特Aを獲得するなど評価の高いお米です。名前が難しくて「青森の……あの美味しいお米、なんだっけ?」となりがち、という問題はあるものの、たしかにクオリティが高いお米。単純においしいお米が食べたいという方にオススメです。
ちなみにこの食味ランキング。
日本各地を俯瞰的にみると令和元年産米の対象155銘柄のうち34.8%が「特A」というもはや基準として役に立たないのでは、という意見もあり(そもそもB評価=食味が低い米がもはや存在しない)ますが、現在でも「特A」と「A」の差はあるので一応の目安にはなります。
特Aといえばこの「まっしぐら」。
味と価格のバランスがよい、として業務用として人気のお米なのですが、令和元年の食味ランキングで「特A」を獲得。
こちらのニュースで日本穀物検定協会の伊藤健一理事長が「正直なところ意外な結果だった」と語っていますが、業務用米で特Aというのはなかなか珍しい。改めて食べたことがなかったので、今回試食してみました。
おお、おいしい。つがるロマンと同様に粘りは少なめで、はっきりとした米の粒感があります。あっさりとした味で、独特の香りがあります。この香りをどう評価するか、という部分で好みがわかれるかもしれませんが、料理と合わせるのであればむしろいい方向に傾くのでは。
(お米の炊き方については以前ざっくりと書きました。厳密にはもっとポイントがあると思いますが、概要としてはこんな感じ)
お米を味わうととにかく米単体の味について評価しがちですが、実際にポイントになるのは料理との相性です。このあたりについて広げていくと食卓がより多様になるのでは。というわけで今日はお米の話でした。
撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!