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割り下タイプのねぎま鍋

今日はねぎま鍋のレシピをご紹介します。ねぎま鍋は普通、寄せ鍋スタイルでつくられることが多く、服部流もマグロ節と昆布でとった出汁に醤油とみりん、酒などで味をつけ、ネギとマグロを煮るスタイルですが、今日は手軽な割り下を使うスタイル。

鍋料理は元々シンプルなものです。江戸時代の料理本に掲載されているレシピも例えばハマグリ鍋の材料であればハマグリ、酒、水のみだけという構成のものばかり。そう考えると今の鍋料理はいささか複雑になりすぎている気がします。

ねぎま鍋割り下タイプ
まぐろ 腹身 300g
ねぎ 2本
クレソン 適量
焼き豆腐 一丁
割り下
醤油 50cc
酒 50cc
みりん 50cc
水 150cc
鰹節 5g

まずは割り下から。

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今回の配合は砂糖が入らない江戸前風の味付け。出汁も鰹節のみです。

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作り方は簡単。材料をすべて鍋に入れて、中火にかけます。

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沸いてきたらあくをとってから火を止めます。

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ざるで濾します。これで割り下は完成。

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ねぎは千住ネギを使うべきなのでしょうが、今日は宮城県産の曲がりねぎを使いました。長ネギであればなんでも大丈夫。適当な大きさにぶつ切りにします。

ちなみに曲がりネギは品種を指す名前ではなく、成育中に土を盛ってネギ自体にストレスをかけることで甘くする手法を指します。もともと岩手県を中心に栽培されていたのですが、流通に不利という理由から栽培面積が減少。一時は見かけなくなりましたが、最近になってまた復活したネギです。

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まぐろはいい部位を使う必要はなく、筋があるもので大丈夫です。今回はメバチマグロの腹身を使いました。ただ本マグロだけではなく、メバチマグロも資源の減少が心配されはじめています。資源量に不安があるマグロではなく、ぶりなどで代用してもいいでしょう。その場合は『ねぎま』ではなく 『ねぎぶ』という名前になるのでしょうか……。

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こんな状態で準備完了。本当はまぐろとネギだけでつくりますが、今回は現代的にアレンジしてクレソンを足しました。個人的な見解として鍋の具材は三種類ぐらいがベター。あまり増やすと味が濁ります。

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江戸時代の鍋料理は一人用の小鍋が主流ですが、その文化は今、どじょう屋さんくらいしか残っていないので、すき焼き鍋を使います。少なめの割り下で裏返しながら火を通していきま す。ここが最初のポイント。

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つぎのポイントはマグロにしっかりと火を通すこと。そうしたほうが筋がやわらかくなって美味です。ネギ、マグロともによく火を通しますが、基準としてはネギが甘くなったらOK。クレソンはあっという間に火が通るので最後に。

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具材を足しながらどんどん食べていきます。まぐろには山椒を振ると美味です。ところで割り下を使った鍋は煮汁が煮詰まってきます。徐々に濃くなっていく味も楽しみなのですが、あまりに煮汁が減ってきたら水か酒を足すといいでしょう。

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ここで具材は三種、というルールから外れますが、焼き豆腐を入れると水を足さなくても、水分を補うことができます。

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焼き豆腐が入ると一気に鍋物っぽくなります。最後に卵でとじてもなかなかの乙なもの。鍋料理は自由に楽しみましょう。

撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!