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オーバーツーリズムと「恋愛貧者」ー恋愛市場であぶれる日本人男性

当マガジンは比較的高めの年齢層の女性を読者に想定しているのだが、思いの外に多くの男性にもお読み頂いているようである。日本人男性は好みでない、という話に終始しているので、日本人男性の反感を買いかねないことを覚悟していたのだが、始めてみたら男性からも好評を頂くことになり、驚きつつ感謝する次第である。

他のいくつかの記事でも述べた通り、日本は恋愛には厳しい環境である。恋愛砂漠と言っていい。20代から40代の男女のうち恋人がいるのは30%にも満たないという統計を以前紹介した。私見によればこれは、そもそも人間同士が全体的に疎遠であることとと、男性が女性に対して極端に消極的であること、そして、年齢に関する観念が硬直的であることに起因している。

恋愛は今や、極少数の、若く魅力的で幸運な人々、所謂「勝ち組」だけの「贅沢品」と成り果てている。若いうちは相手に不自由しなかった人々も、それを一生継続出来る保証はない。20歳から60歳に至るまでほぼ途切れることなくパートナーがいて、しかも、セックスレスや相手の浮気その他の問題もなく、関係に概ね満足しているとしたら、5億円の資産を保有しているくらいの希少性がある、かも知れない。

男も女も恋愛はしたいと思っている。しかし、女はどうやって男に気に入られたらいいかわからず、男はどうやって女に近づいたらいいかわからない。満員の会場で全員が全員に背を向けて推し黙る「孤独のパーティー」が眼に浮かぶ。

これは。見方を変えれば男性にとってとてつもないブルーオーシャンということである。ブルーオーシャン。競争相手の少ない未開拓市場。新規参入者が一人勝ちする可能性のある貴重な機会。

このブルーオーシャン、日本を満喫している男たちがいる。

そう、外国人男性たちである。

コロナ後のインバウンド激増がこの現象を加速させている。ここ2年ほどの間に、マッチングアプリで、バーで、イベントで、日本にいた期間私がどれくらいの外国人男性と出会ったと思し召す?

マッチングアプリと言えば、私が愛用していたアプリは、日本進出後しばらくして、日本人男性の登録が大きく増えたのでつまらなくなりしばらく使わずにいた。それが入国規制の緩和後再び外国人優勢になった。毎週数百件のいいねが届く。うち7割ほどが外国人である。居住者もいるが旅行者は非常に多い。彼らの多くは日本に住む、または日本に滞在している女性たちとこれでもかという程楽しんでいる。彼らが日本で喜んで体験することは、美食や観光だけではない。女性との嬉しい体験も日本旅行の忘れ難いハイライトになっているらしい。彼らが出会う女性の大半は、むろん日本人女性たちである。

何故そんなことになっているのか。それは、日本人以外の男性たちに比べて、日本人男性がお話にならないほど恋愛に不慣れで不器用で、女性に対してビビっているからである。恋愛する気満々の、魅力的な女性たちを、国を挙げて手付かずのまま腐らせているからである。

日本の男性が特殊なのだということを知らない女性たちは、自分に原因があると思い込む。「自分磨き」に精出したり、男性心理や恋愛力学の理解が肝要と信じて、的の外れた恋愛指南書を何冊も熟読したりする。恋愛・結婚コンサルに金を使う。そして成果のないまま歳をとる。

少し運のいい人たちは、日本に押し寄せる外国人男性とデートし、日本と外界との恋愛格差に気づいて唖然とする。事実を見てしまった彼女たちは、日本や日本人男性に未練も見せずに立ち去ってゆく。

もし国家という制度がなくなり、国境が廃止され、パスポートが消え、全ての地域で行き来が自由になったら、今以上に大量の外国人が日本を訪れるだろう。そうなったら、日本人女性の、全部ではないにしても相当の部分が外国人男性にもって行かれることを私は疑わない。外国人男性が日本人男性より魅力的だから、では必ずしもない。力に差がありすぎるのである。女をもって行く力、その馬力が、日本人と非日本人では、羽ぼうきとブルトーザーくらい違う。かてて加えて、日本人女性は男性に誘惑されることに慣れていない。ちょっと押されると、川底の砂のようにすぐ流されてしまう。しつこくちょっかい出されることに慣れている外国の女性のようにしっかりしていない。そして国民全体に根強い白人崇拝、外国人への憧れと好奇心が後押しする。移入されたヤギに森林を食い尽くされてハゲ山になった聟島のように、日本列島はわずかの間に外人男性に食い荒らされた「無女性地帯」(フリーの女性がいないという意味の)になってしまうかもしれない。

もって行かれた女性の一部は戻って来るだろう。「我に返る」人たちもおり、日本人男性の良さを再認識する人もいることだろう。しかし外国人男性が居残るなら、或いはやって来続けるなら、日本人男性は彼等との競争を継続することになる。戦いは、はっきり言って厳しい。私はその戦況を目の当たりにしている。

私の注意を惹いたのは、これら旅行者や、まだ日本を訪れたこともない外国人のうち、将来の日本への移住を計画している人がとても多いことである。中国人の移住者、移住希望者が膨大なことは知られているが、中国人だけではない。欧米やその他地域にも、日本に興味を持ち、移住・永住を真剣に考える人が珍しくないのだ。日本文化は、伝統文化もポップカルチャーも共に人気が高い。そして、安全、清潔、便利なインフラ、高品質の各種製品、親切な人々、美味い飯、安い物価・・・つまり世界有数の「暮らしやすさ」が人々を惹きつけている。

そういう数々の「日本の魅力」の中でも、「日本女性」というアイテムが、いわく言い難い輝きを放っていることをご存知だろうか。

今は、物理的に外国人に接する機会のない女性も、バーチャル空間でなら彼らと知り合う機会がいくらもある。日本人女性をめぐって、日本国内に存在する、そして国外に身を置きつつネット空間を渉猟する外国人男性との競争に、あなたもそうとも知らずに参加していたのだ。

先に述べた「ブルーオーシャン」でオイシイ思いをしているのは、誰あろう外国人男性たちだった。彼らは何故ブルドーザーよろしく日本女性を根こそぎ「持っていく」ことが出来るのか。恋人をつくるのに苦労しているなら、ひとつそのやり方に学んではどうか。

尤も、これまで平均的な日本人男性として恋愛に取り組んで(?)来た人が付け焼き刃の一夜漬けでヤツらと勝負するのはちとツラい。だが、てんで「なっていない」一般日本人男子に差をつけることなぞ造作もない。日本が「ハゲ山」にされる前に、パートナーのいる人口30%弱の方に移行する。この先一生女なしという人生を描いているのでなければ、早めに手を打った方が良くはないか。

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