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夏の南紀白浜:もったいないこと

2023年12月に和歌山県白浜町(南紀白浜)に移住しました。はじめて迎える夏で「ここはもったいないなぁ」と感じることを書いていきます。


1, ビーチは早朝と夕方以降が最高なのに・・・

白浜の夏の観光の目玉は「白良浜」というホワイトサンドビーチ。
各地から「海水浴」客が押し寄せています。

・・・しかし、この「海水浴」というのは実は古臭いイメージがそのまま残っているだけなのかもしれません。既に7月が終わりましたが、実感として昼間は暑すぎてビートには長時間いられません。みんな持参したテントを立てるか、現地で借りたパラソルを立てるか、ビーチ沿いに少しだけある木陰に避難するか。

本気で泳ぐような地形の海でもないので、波打ち際で泳いでいるのは子供とその親だけ。

時々、ビーチに寝転んで本当に寝てしまっている人も見かけますが、危険な状態だと思います。後で日焼けがひどいだろうな、と。ビーチにいるライフガードの役割は海に入っている人達の安全確保なので、ビーチで過ごしている人達は管轄街なのかもしれません。

実は過ごしやすくて気持ちがいいのは「早朝のビーチ」「夕焼け時のビーチ」「夜のビーチ」なのですが、県外からの日帰り客の大半は帰り道の渋滞を気にしてか、夕方にはもう引き上げてしまいます。

早朝のビーチはまだ日差しも強くなく、海の水も少し冷たくて透明度が高くて気持ちいいです。まだ混んでいないので、散歩がてらゆったり過ごせます。(ホテルに泊まっている人の中には朝食のビュッフェを早めに食べてビーチに来る人も)

夕焼け時のビーチは空が本当にきれいです。半島の西側なので、太平洋岸にもかかわらず夕日〜夕焼けが見られます。刻々と変わる空の色をぼんやり眺めているとリフレッシュ出来ます。

夜のビーチは風も涼しくて、最高に過ごしやすいです。人もまばらで静かです。雲がなければ夜空の星がかなり見えます。寝転がって過ごすのに最適。夏の間は毎週末にミニ花火大会があります。でもこの時間帯には観光客はもうあまりいません。

海外のビーチリゾートだと、この夕方〜夜の時間帯がゴールデンタイムなんですが・・・。

2, ビーチでのビジネス禁止

これも海外のビーチリゾートだと、ビーチ上で様々な商売が行われている場所が多いです。「マッサージいかが?」「三つ編みするよ」「サーフィン教えるよ」「ビールをバケツ一杯」「ココナッツ飲まない?」「マンゴー食べない?」と物売りなどが寄ってきます。鬱陶しいですが、活気があります。

おそらく風紀の問題や混乱を避ける為、あるいは周辺の商業施設の既得権を守る為だと思いますが、ビーチ上あるいは周辺でのビジネスが禁止されているようです。昔はルールが緩くて色々問題が起きて、ある時期に思い切ってクリーンな方向に舵を切ったのでしょうね。

その結果、みんなビーチ沿いのコンビニエンスストアに集中、日本中どこにでもある飲み物や食べ物を買って食べています

せめてビーチ上でアイスクリームやソフトドリンクが買えるといいですね。

3, 夏の観光客向けの商業施設がショボい

通年営業が難しいのだと思いますが、夏だけ季節限定で営業するお店もチラホラあります。短期間で稼ごうという思惑なのか、価格設定も「う〜ん」という感じ。それでもあるだけまだマシで、観光客に「どこかお昼ご飯美味しいところないですか?」と聞けれても案内するのに困る状態。

ビーチ近くで、海から上がって予約無しで入れる店でまともなものがまともな価格で食べられるところがほとんどありません。コンビニエンスストアで焼そば買って食べた方がまし。キッチンカーなども少しずつ増えつつあるようですが、需要には追いついていません。前項のようにいわゆる「海の家」なども無いので、夏の雰囲気を味わえる軽食を食べられる場所がありません。

ホテル内のレストランやビュッフェは充実しているようなので、宿泊せずに日帰りで訪れる観光客は食事難民になっています。

4, ビーチ以外どこへ行く?

観光客の多くは自家用車で来ているので、フットワークいいはずですが、ではビーチ以外どこに寄るのか・・・?
景色の良いスポットも沢山ありますが、あまりPRがされていない状態です。地元民の生活区域に入ることにもなるので、避けているのかもしれませんが。

山が海に迫っている地形なので、ちょっと内陸に入ると低山や川があって、見晴らし良い景色が続きます。いわゆる熊野古道の入り口にあたる地域なので、環境も保護されているようです。

ホワイトサンドビーチ以外にも自然豊かな田辺湾が広がっています。自然公園があったり、散策するのに向いた場所があります。

ビーチに来てお金を落として欲しい観光業者はそれ以外のPRはしないので、認知度が低いままですね。

町、観光協会、温泉組合、各商業施設などの思惑がバラバラな印象です。

5, イベントの告知

ビーチ周辺でのイベントも意外と沢山あります。
問題はその告知方法。イベントの運営主体はバラバラで、それぞれが情報発信していますが、大半は「インスタグラムを見ておいてください」というもの。ちゃんとターゲットにリーチ出来ているのだろうか?観光協会などが集約してWebサイトやソーシャルメディアで発信してはいますが。

どこの観光地にもいるインフルエンサー的な人達のソーシャルメディアでの発信が一番機動力がありそうですが、正式なニュースソース元でうまく連携出来ているのだろうか?

6, 結局こういう課題を吸い上げる仕組みが無い?

観光客側も「う〜ん」と感じることがあっても、それをどこに言ったらいいのか、という状態かもしれません。ブロガーとユーチューバーもわざわざネガティヴな情報を上げたりしないので。

そうしているうちに夏が過ぎて、課題は曖昧になって、うやむやなまま、また次の季節を迎える、と。

どこかにそういうアンケートの仕組みはあるのかもしれませんが、見たことありません。

そうやって、どんどん需要と供給が乖離していって、今日に至る、と。

町として本気で観光産業で食っていこうと思っているのなら、問題ですね。
おそらく同じようなことは日本中で起こっているのでしょうが。


課題は色々ありますが、自分で情報収集して、快適に過ごすこと出来る、
素敵な田舎町です。ぜひ遊びに来てみてください。



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