見出し画像

彷徨うばかり

意味もない未来に背を向けるのも
正解だと思う

下が見えないのは
ただ目をつぶっているだけかもしれない

それでも背中に重くのしかかるものは
消えやしない

夜露が染み込むたびに
身体は前へ、さらに沈んでいく

乾くのを待つか
腐るのを待つか
それともただじっと
朽ち果てるのを待つのか

考えるだけで
身を縮めたくなる

まるまったままの安心感
それはそれでいい
静かで穏やかなら尚更だ

けれども、立ち上がれない

最低限の息だけで足りるなら
それも悪くない

腹は空くけれど
動けない理由を探し
無理だと言い聞かせる

それでもふと浮かぶ
味のする食べ物のこと

渇望が少しだけ
身体を持ち上げる

静かな絶望の中にも
微かな欲望はまだ残っているらしい

いいなと思ったら応援しよう!