シーイングってなんだ?
先日、ミューロン180Cで木星を見ていたのですが、シーイングが悪く、縞模様がやっと分かる感じでした。
そう。シーイングです。
一般的に空の状態を5段階または10段階で表しますが、どうだったら10、こうだったら3という話は置いておいて、一般に言われる俗説を紹介しましょう。
①どんよりとした空はシーイングが良い
風が強くなく、大気が安定しているとどんよりするわけで、気流が穏やかなので揺らぎは少なくなっています。
なので、春霞や梅雨の時期は晴れさえすればシーイングがよくなります。
②透明度が高いとシーイングが悪い
①と逆のパターンで、「雲がない」ということは、「上空で強い風が吹いている」となり、シーイングが悪くなります。
なので、冬などのよく晴れた日はきれいな空ではあるが、シーイングは悪いです。
③春はシーイングが良い
①にも書きましたが、霞んでいるので大気が安定しています。夏も良いことが多いです。
④近くに“もの”があるとシーイングが悪い
その“もの”が発する熱で対流が起こりやすくなるためです。ようするに湯気みたいなもの。
特に車などでありがちです。暗い所に出かけて、車のそばに望遠鏡を展開すると、影響をもろに受けるので、離れたところに展開しましょう。
ちなみに人間もだめです。なので、天文台でドーム内に人がたくさん入るとシーイングが悪くなりますw
⑤星がまたたく夜はシーイングが悪い
これは②と同じですね。またたくってことは揺らいでるってことで、それが肉眼でわかるんだから、最悪です。
⑥天候が崩れる直前はシーイングが良い
①に書いたのと同じです。雨が近づくと大気がどんよりしてくるので、シーイングはよくなります。
⑦雨上がりは悪い
④の湯気が地面全部から上がるんだから悪いのは当然です。
⑧日没から数時間はシーイングが悪い
気温が急激に下がるので、地面との温度差が広がります。
場合によっては雲がわくほどなので、シーイングは悪くなります。
⑨反射式望遠鏡のほうが屈折式望遠鏡よりもシーイングが悪い
反射式望遠鏡は光を反射させるので、光路が揺らぎの多いエリアを何度も通ったり、構造上、対流が内部にこもったり、口径が大きかったりするので余分に揺らぎの影響を受けます。
⑩口径が大きいとシーイングの影響を受けやすい
これはちょっとわかりにくいです。口径が大きい分、乱れた光を多く集めてしまうので、影響は大きくなります。
口径が小さければ、悪い中でもいい光をとらえることをがあるので、影響は小さいです。
なので、場合によっては、20cmの反射よりも、6cmの屈折のほうがよく見えることがあります。特に月などは違いがはっきり判ります。
(この記事は以前別のblogで書いた内容を再編集したものになります)