一日の長さと自転周期
一日の長さは24時間です。
でも、地球の自転周期は「23時間 56分 4.100秒」です。
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まず、『一日』とはなんでしょうか?
時計が午前零時からお昼の12時になり、再び午前零時になるまでが一日で、24時間になります。
これを『常用時』と言います。
1925年までは太陽が南中し、西へ沈み東から再び上って南中するまでが一日で、正午(昼の12時)をもって一日の始まりとしていました。
これを『天文時』といいます。
(ほかにも夜明けや日没をもって一日の始まりとしていた文明もあります)
常用時は生活に合わせたものと言えるかもしれませんが、他は太陽の動きを基に一日を定めています。
では、太陽が再び同じ位置に戻ってくるとはどういうことでしょうか?
南中を例に取りましょう。
真南に見えていた太陽が西へ沈み、東から再び上って南中する。
これは太陽が動いているわけではなく、地球がくるんと一回転しているからになります。
目の前にあるパソコンなりスマートフォンを動かさずに、左回りで一回くるっと回ってみてください。
画面が右(西)へ動き、見えなくなって、左(東)から見えてきて真正面(南)に見えるようになると思います。
これが『自転』で、一回転することで太陽が再び南中すること(=一日)になります。
ですが、これを夜空の星に当てはめると事情が変わります。
毎夜、空を見ていると、季節によって見える星座は変わっていきます。
ここで問題です。
夜8時に南中した恒星が、次の日に南中するのは何時でしょうか?
同じ8時でしょうか?
答えは、少し早くなって夜7時56分ごろになります。
(より正確に言うと、約3分56秒早くなり、夜7時56分04秒ごろ)
これは地球が『公転』により太陽の周りをまわっているからになります。
地球が太陽の周りを移動している量は、1年(365.2422日)かけて一周するため、
>360度÷365.2422日=0.9856度/日
となり、地球がその分、余計に回らなければ太陽は再び南中しません。
この「余計に回る」のにかかる時間が約3分56秒になります。
つまり、
恒星を基準にした一回転にかかる時間:23時間56分04秒
(=地球自身が一回転するのにかかる時間)
太陽を基準にした一回転にかかる時間:24時間
(=太陽が再び南中するように一回転するのにかかる時間)
となり、前者を恒星日。後者を太陽日と言います。
恒星日は(厳密には異なりますが)地球が一回転する自転周期に一致しますが、一日の長さには足りません。
それは、地球が公転により移動しているためで太陽の見かけの位置が変わる分余計に回る必要があるためです。
(考え方としては、『自転周期となぜ違う?』の note で取り上げた話と同じになります)
結果、一日の長さは自転周期と一致せず、約4分長いことなります。