独断と偏見による二重星ベスト5
移動天文台などで見せることが多い二重星
私の独断と偏見でこれは見るべきと言う二重星ベスト5を選んでみました。
(はくちょう座β星のアルビレオは殿堂入りということで除外しています)
二重星とは
肉眼で見ると一つの星にしか見えないですが、望遠鏡で倍率を上げると2つ(複数)に見える星のことを一般的に「二重星」と言います。
(もちろん、3つや4つなど複数見えれば三重星、四重星とも言います)
連星なのか重星なのか
連星(二連星)は、2つの恒星が重力的に結合した恒星系(連星系)を形成しているもので、3つなら三連星、4つなら四連星となります。
重星(二重星)は、実際には複数の恒星が地球から見て、偶然同じ方向に位置しており、「見かけ上、連星のように見える」場合になります。
見応えのある二重星一覧
小口径(10cm程度)の望遠鏡(屈折がおすすめ)で見応えのある二重星を列挙しました。
ベスト5に漏れた恒星以外も十分な見応えがありますので、是非ご覧になってください(自分で見ることができない場合は、観望会などでリクエストしてみてください)
独断と偏見による二重星ベスト5
見応えのある二重星から独断と偏見で選んだ二重星を詳しく紹介します。
なお、しつこいですが、はくちょう座β星のアルビレオは殿堂入りということで除外しています。
アルマク/アンドロメダ座γ星
アンドロメダ座で輝く二重星です。
離角が小さく寄り添うように見えるのでオススメです。
夏から秋にかけて東の空で導入しやすく、移動天文台では見えれば必ず導入する天体です。
個人的には導入のしやすさ、離角、色の対比などアルビレオよりもオススメの星になります。
(アルビレオは天頂付近にあり導入するのが大変なのです)
いるか座γ星
夏の大三角形のすぐ外にあるいるか座の星です。
アルビレオほど高くならないので比較的導入がしやすいです。
いるか座の頭の台形は5度の視野(ファインダー)に入りますので、台形を入れてから合わせると良いでしょう。
ケフェウス座δ星
移動天文台のシーズン(春から秋)を通して見えますが、恒星自体が暗いので難易度はやや高めです。
それでも北の空が暗い場所では狙う価値のある二重星になります。
コル・カロリ/りょうけん座α星
北の空、北斗七星のすぐそばにあるりょうけん座の二重星になります。
北斗の柄をそのまま伸ばし、円を描くようにしたその中心にあります。
高さ的にも導入しやすいのでオススメです。
ラス・アルゲティ/ヘルクレス座α星
へびつかい座のラス・アルハゲのほうが明るいので注意が必要です。
色のコントラストが赤とオレンジなので、見応えがある二重星です。
導入するときには明るいラス・アルハゲを見つけて、その側とすると良いでしょう。
見え方比べ
それぞれ離角も書きましたが、比較してみましょう。
離角が様々なので、どの倍率だとどう見えるのか(近すぎるor離れすぎている)を把握して適切な倍率で見るようにすると良いかと思います。
※この記事は天文ボランティア研修で発表した内容を再編集したものです
※記事中の星図はStellaNavigator7/アストロアーツを使用して作成
※説明中にある「20時高度」は北海道札幌市でのものになります
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