潜在意識のプログラミング
日本であまり知られていないコンセプトを翻訳するとき、書籍やテキスト翻訳なら注釈をつけることができます。でも字幕翻訳は1秒4文字という字数制限があるので、なんとかして意味が近い言葉を探して使うしかありません。毎回悩むワードの一つが「プログラミング」です。
Programming(プログラミング)
コンピューター用語としておなじみですが、スピリチュアル系の話題でもよく出てきます。潜在意識のプログラミング、という意味です。
ブルース・リプトン博士によると、妊娠中の母親の精神状態は胎児に影響を与えるそうです。つまりプログラミングは生まれる前から始まっている。そうして生まれたあとは、周囲の環境によって「~とはこういうものである」というプログラミングが7歳までに完成するのだとか。
例えば、親がクモを見てギャーと叫んで逃げれば、子供には「クモは怖いもの」というプログラミングがされます。親が「このクモは~と呼ばれていて、害虫を食べてくれるんだよ」と教えてくれれば、子供には「虫の世界は楽しい」というプログラミングがされます。
自分にどんなプログラミングがされているかを把握することが大切だそうです。良いプログラミングなら書き換える必要がないので、自分に害をなす、書き換えたいプログラミングを見極めます。そのヒントは「努力してもなかなかうまくいかない事」。
親や周囲の大人から「お前は黙っていろ、お前は価値のない存在だ」と言われて育つと、7歳までに「私は無価値」というプログラミングが完成してしまいます。大人になってから努力してもなかなかうまくいかない事が出てきた場合、そのプログラミングが原因であることが多いそうです。例えば何度ダイエットしても毎回リバウンドしてしまう、幸せになりたいのに毎回ヘンな相手とつき合ってしまう、など。
これは潜在意識とか無意識レベルで行われるプログラミングなので、大人になってから「自分にとって不利益なプログラミングを書き換えよう」と思っても、意識的にそれをするのは無理なんだそうです。
私は無価値な人間なのだから、痩せてきれいになっても意味がない。私は無価値な人間なのだから、あのステキな人とは釣り合わない。
頭ではそんなこと思っていなくても、プログラミングを書き換えないと根本の問題は解決しないんですね。心理カウンセラーに相談するだけでは潜在意識に働きかけることはできないようです。
ブルース・リプトン博士のウェブサイトや本にプログラミングを書き換える方法が紹介されています。ヒプノセラピーとか、エネルギー心理学とか、いつか試してみたいです。
夜眠りにつく直前、脳波がシータ波になっている時がプログラミング書き換えのチャンスなのだとか。私は「どうせ私なんてほどほどの事しかできない」というプログラミングがされてしまっている感じがするので、「私は何でもできる」と唱えながら眠りにつくようにしています。効果あるかな。
そんなわけで、この「プログラミング」というワードはとっても訳しにくいんです。1秒4文字という字幕翻訳の制限の中、そのままプログラミングという言葉を使って、前後の会話の流れで意味を説明できればラッキーです。でもそれができない場合、視聴者に伝わる別の言葉を選ぶしかありません。
「潜在教育」なんて言葉あるかな? と調べてみたら、なかった。残念。
洗脳、刷り込み、思い込み…どれもしっくりこないけど、仕方なく字数の少ない「洗脳」を選ぶことが多いです。
読んでくれてありがとう😊👽