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【ドイツあれこれ】新郎新婦にグリュック・アウフ!

[初出:2010年3月]

ドイツの結婚式には、概して教会での挙式と戸籍役場での挙式がある。役場の式でも、無味素っ気ないわけではない。料金を上乗せすれば、旧市庁舎のような由緒ある建物を会場として選べる。役人も慣れたもので、気の利いた文句で式を演出してくれる。

少し風変わりなのが、ボーフム市が提供するサービスである。ドイツ炭鉱博物館にある本物の炭鉱で式を挙げられる。パンフレットには「他にないユニークなロケーション」と謳われている。しかし、薄暗い穴のなかで正装した新郎新婦の写真は少々滑稽に映る。ルール地方出身者でないと、その良さは分からないのかもしれない。

昔から使われてきた炭坑夫の挨拶に「グリュック・アウフ」というのがある。意訳すれば、「前途に幸あれ」くらいの意味だ。きっと、そうやってカップルはここで祝福されるのであろう。

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