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【ドイツ、ときどき隣国】教会がショービジネスに転身?

[初出:2006年10月]

オランダで教会を見学しようとして、面食らうことがある。木製の重い扉を開けると、美術館まがいの立派なレセプションが待ち受けている。観光客は、そこで入場料を払う。静寂な雰囲気のなかで足休めをしたかった私は、当てがはずれる。

さらに驚いたのは、いわば民間払い下げとなった教会を目撃したときである。バラ窓のうえに堂々と弁護士事務所という看板が出ている。また、現役の教会も多目的利用が進んでいるらしい。ある教会に飾られた写真には、コンサート会場、試験会場、はたまたファッションショーのキャットウォークに化した聖堂の姿が映っていた。

もっとも、歴史的建造物の維持にはお金がかかるもの。日本だって、仏閣の拝観料はばかにならない。教会の開かれた門を当たり前に思うのは、教会税という制度のあるドイツに住むものの幸せな誤解なのかもしれない。

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