見出し画像

【ドイツあれこれ】住み慣れた街での異文化体験

[初出:2007年9月]

週末の9月9日は、「欧州文化遺産の日(European Heritage Days)」だった。普段は入れない歴史的建造物が一般に公開される。今年はその日に、ちょっと毛先の変わった文化財をのぞいてみた。

それは、市内にある大きなモスクである。住民感情を刺激しないようにとの配慮か、殺風景な工業地帯の一角に建っている。打ち出しのコンクリート壁のような外見とは裏腹に、一歩中に入ると壮麗な宗教美術の世界が広がる。青を基調としたイズミールタイル風の鮮やかな装飾タイルで埋め尽くされている。6年前に地元のトルコ人団体が建立したもので、総工費は約4百万ユーロに及ぶ。すべては寄付金で賄われたという。

モスク内には、日曜学校でコラーンを学ぶ子供たちの姿も見られた。脈々と息づく異文化をそこに垣間見た。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?