【日独文化】クリスマスがメリーではないドイツ
[初出:2009年1月]
クリスマス直前に帰省した。しんみりとした雰囲気に包まれたドイツから平日モードの日本に戻り、何だか拍子ぬけした。どうもクリスマス気分が出ないと思いながら地元の商店街を歩いていると、救世軍の「社会鍋」募金に出くわした。トランペットとともに奏でられる耳慣れた讃美歌に、ふとドイツのことが懐かしくなった。
しかし、本当に調子が狂ったのは、正月に入ってからである。近くのショッピングモールは元旦から営業している。福袋目当てに集まる人で、道が混んだ。よく見れば、スーパーや衣料品店もやっている。昔は三賀日はどこも休みだったのに。新年はもっと厳かなものではなかったか。
近年になり営業時間の規制が緩んだドイツでも、さすがにクリスマスに商売をするものはいない。日本では、ハレとケの境界が希薄化しているように思う。