【ドイツあれこれ】地方色のあるデカたち
[初出:2006年2月]
ドイツ人ほど刑事ドラマの好きな国民は他にないのではなかろうか。毎日、どこかの局が流している。ZDFの元祖刑事物「警部(Der Kommissar)」は全編筋書本が出回るほどの根強い人気で、今も再放送されている。また、ZDFの「犯行現場(Tatort)」は1970年から続く長寿番組である。
各地方局が交替で制作を行うので、ローカル色が楽しめる。例えば、ひと昔前にWDRがデュースブルクを舞台に制作した同シリーズのシマンスキー刑事は、炭坑労働者を連想させる気取りのない、悪くいえばがさつな人物だった。
個人的におもしろいと思うのは、DDR時代に撮影された「警察110番(Polizeiruf 110)」である。東ドイツの素顔の日常が分かる。過ぎし日へのノスタルジーか、これもMDRでよく再放送されている。