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【ドイツあれこれ】バタ臭いのは本当

[初出:2007年5月]

西洋かぶれをバタ臭いとはよく言ったものだ。伝統的なドイツ食は、何を食べてもバターの味がする。年配のドイツ人と食事したら、注意された。黒パンにもっとバターを付けろというのだ。パンの肌が見えなくなるまで壁のごとく厚盛りするのが正しい食べ方とされる。チーズを載せるのだから、そこまで塗らなくてもよさそうなものだ。そして、主菜の魚料理が来て、がっかり。あっさり塩焼きにしたらおいしいのにと思う魚がバター汁に泳いでいる。

今が旬のアスパラガスの食べ方もまたしかり。溶かしバターか、それに卵黄を加えて作るホランデースソースをかけるのが定番。だが、最近、しゃれたホテルで食事したら、バルサミコを使ったビネグレ版をメニューに発見した。ドイツの食文化も少しは変化しているのかもしれないと思いながら、それを注文した。

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