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【ドイツ、ときどき隣国】えっ、こんなところに! 神出鬼没の仏様

[初出:2006年3月]

モハメドを風刺したデンマークの漫画が国際社会に大きな波紋を投げかけた。偶像崇拝を否定するイスラム教徒の神経を逆なでしたらしい。その憤怒の程は、異教徒には少し理解しがたい。

しかし、よく考えれば身近に擬似体験をすることもある。それは、ショーウィンドウに飾られた仏像を目にする時である。旅行代理店や宝飾品店などはまだ分かるが、クリーニング屋で見かけたこともある。たいていは南国風の小柄な仏像で、優しい顔立ちをしている。商業主義とは対極の存在であるはずの釈迦牟尼。それが安っぽく商売に使われているのを見ると、やはり抵抗感を抱く。

十字架のキリスト像なら、誰もそう軽々しく置物にはするまい。もっとも、店の方では仏教徒が通りかかることなど想定していないのだろう。複雑な世の中になったものである。

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