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【ドイツあれこれ】旅芸人の子供たちの教育問題はいかに

[初出:2008年4月]

いつもはただの草原の空地にテントが立つ。それを見るだけで子供の心は騒ぐ。そう、サーカスがやって来たのだ。

こちらに来て大小様々なサーカスを観たが、今度のには泣かされた。一家で独立しての初興業。父親を座長に下は2歳、上は11歳くらいの子供たち総勢6人が出演する。母親の司会進行のもとに、長女のアクロバット、次男のピエロ、カンフー三兄弟といった演目が続く。一番下のおちびさんだって負けてはいない。お父さんに足をつかまれて空中を舞う。

休憩の間に、祖母らしき売店のおばさんと話をした。これだけの人数の子供がいれば、義務教育のために教師が巡業に同行するのだと聞いて感心した。ヨーロッパには旅芸人の文化がそれだけ根づいているのだろう。幕が降り、普通の子供の顔に戻って遊ぶ幼子の姿が印象的だった。

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