見出し画像

【ドイツあれこれ】南ドイツでは正装のはずが仮装に

[初出:2007年10月]

先週末、ミュンヘンで恒例のオクトーバーフェストが幕を閉じた。そこから600キロ以上離れたライン地方でも、祭りの存在は感じられる。というのも、一部のレストランや飲み屋がオクトーバーフェストウィークを催すからである。店内はバイエルン州旗を真似た水色と白のチェック柄で飾られ、メニューには白ソーセージとプレッツェルが登場する。

とはいえ、ある種の白々しさを隠せない。所詮、当地ではマーケティングギミックに過ぎない。その辺の心理的な距離は、カーニバルを見ればよく分かる。南ドイツの民族衣装であるレーダーホーゼ(革製半ズボン)もどきを着て闊歩する人の姿を毎年、必ず見かける。それは訳の分からないチャイナドレスを着て、中国人を揶揄する仮装と余り変わりない。北ドイツ人にとって、バイエルンは異文化なのである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?