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【ドイツで子育て】名付け子が大人の仲間入りをした日

[初出:2009年5月]

五月晴れの日曜日に、夫の名付け子の堅信礼に立ち会った。堅信礼(コンフィルマツィオーン)とは、信仰告白をして教会への正式な仲間入りを果たすプロテスタントの儀式である。いわば成人式のようなものだが、14歳で祝うのが普通だから日本の立志式を思わせる。

子供たちは一張羅の晴れ着で式に臨む。撮影禁止だと牧師が念を押したにもかかわらず、隠れてシャッターを切る親がいる。どの国の親も同じだと、思わず苦笑いしてしまった。

しかし、華やかなだけの祝事ではない。子供たちは1年間、特別な宗教授業を受けて、この日に備える。ミサのなかで牧師からもらう聖句は、本人が選んだものだ。名付け子が選んだ聖書の言葉は思いがけず厳しいものだった。初めて出会った時は舌足らずの幼子だったあの子も大人になったものだと、感慨深かった。

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