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【一時帰国】いらっしゃいませの復唱に照れながらも

[初出:2018年1月]

人件費の高いドイツでは、客を待たせても余分に店員を置くことはない。だから、日本に帰ると、カフェやデパートに働く人員数が異様に多く感じられる。欧州で店員の冷淡な対応に慣らされている自分には、腰の低い敬語づくしの接客は照れくさいほどである。声をかければさっと応じてくれるサービスがうれしい。

スタッフ過剰はそれだけにとどまらない。どんなに小さな駐車場や工事現場にも配置されている誘導係のおじさん。あれは不思議だ。100メートルにも満たない区間で二人も旗を振る必要はないだろうに。

実は、法律により道路工事には交通整理員の配置が定められているという。それを聞いて納得した。失業率の高い旧東独地域で、美術館の警備員が充実しているのと同じからくりだ。一種の雇用対策ではなかろうか。

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