創世記:14章1-24節の解説
もう完全に史実とは思えない話が進むので、ちゃちゃっと行きましょう!
14章1-4節の解説
訳:ざっくりまとめます。
シナルの王アムラペル、エラサルの王アリオク、
エラムの王ケダラオメル、ゴイムの王テダル、
※上記の4人の王をA連合とします。
ソドムの王ベラ、ゴモラの王ビルシャ、
アデマの王シナブ、ゼボイムの王セメベル、
ベラすなわちゾアルの王(←このベラは地名?ゾアルの王の名前だけ書かれてない)
※上記の5人の王をB連合とします。
A連合の王たちはB連合の王たちと戦った。
A連合の5人(←なぜか5人)は塩の海に向かった。このA連合の王たちは12年間ケダラオメルに仕えたが13年目に仕えるのを辞める。(←藩主と大名みたいな関係かな?)
解説:
4人なのに5人と書かれていたり、おかしな所はありますが、流れを説明してるだけですね。
A連合vsB連合の結果には触れていません。
14章5-9節の解説
訳:
A連合の王たちがケダラオメルに仕えるのを辞めた次の年、ケダラオメルは他の王と連合を組む。
※上記の王をC連合とします。
C連合の王たちは、レパイム人、ズジ人、エミ人、ホリ人を次々と撃った。
王たちはエル・パランに向かうが引き返してカデシでアマレク人の国を撃つ。さらにハザゾン・タマルに住むアモリ人も撃つ。
そこでB連合の王たちがC連合の王たちを迎え撃つ陣をしいた。すなわちA連合4人の王と戦った5人の王である。
解説:
6つの民族を次々に撃って強さを表現してるようですが、時代的に勢力争いはよくある事だったとは言え、傲慢で迷惑な行為を勝ち進んでいる良いことのように見せているのが不愉快です。
14章10-12説の解説
訳:
ソドムの王とゴモラの王は穴に落ちて、他3名の王たちは山に逃れた。
C連合の王たちはソドムの王とゴモラの王の財産と食料を奪い、ソドムに住んでいたアブラムの甥っ子ロトと財産を奪って去った。
解説:
B連合が散り散りになってC連合が勝ったようです。穴に落ちたからという終わり方が現代の感覚だと信じられない負け方ですね。
ロトがアブラムの甥だからと拐われてますがここでロトの話に戻ったのには驚きました!前振りがあったり次の展開にハラハラさせる流れに脚本の腕の上がり具合が感じられますね。
財産と並んでロトが書かれることでアブラムに大物感を持たせていますが、何者なのかはここでもまだ分かりません。
14章13-16説の解説
訳:
ソドムがC連合に攻められている中、1人逃れて来た者がヘブル人のアブラムに伝えた。この時アブラムはアモリ人と同盟していた。アブラムはロトが捕虜にされたのを聞いて、308人の訓練した家臣を連れてダンまで追う。
家臣を分け、夜に攻め入りC連合を撃ちホバまだ追った。そして彼らはすべての財産、ロト、女たち、民とを取り返した。
解説:
アブラムの率いる兵は、B連合を撃ったC連合をも撃つ強さだと。そして奪われたものをすべて奪い返したアブラムの強さが描かれて急に英雄キャラだと分かりました。
14章17-20説の解説
訳:
アブラムがC連合を破って帰るとソドムの王がシャベの谷で出迎えた。サレムの王であり祭司であるメルキゼデクがパンとワインを持って来た。メルキゼデクはアブラムを祝福して言った。
「願わくは天地の主なるいと高き神が、アブラムを祝福されるように。願わくはあなたの敵をあなたの手に渡されたいと高き神があがめられるように」。(←神社の御祈祷に近いのかな?)
アブラムは祭司に戦利品の10分のを贈った(支払った。)
解説:
穴に落ちて戦線離脱していたソドムの王がアブラムにお礼を言いに出迎えるのはリアルですね。が、これまで名前の上がってなかったサレムの王が登場。しかも祭司だとか。もう祭司という役が出てくる時点でイラッとします。戦火にいなかったのに一方的に御祈祷をしに現れて(我々と何ら関わりがないのに)神の名を出すだけで10分の1の戦利品を手に入れました。楽でゲスイ商売ですねー。
「天地の主なるいと高き神」?中のメンバーと外のメンバーが混ざって意味不明にも程があります。
天(大気)地(大地)の主(神/外)なる神(大気)って事になりまから大気が重複してますよ。適当にそれっぽく書いてるだけだとわかりますよね。
「いと高き神があがめられますように」は良いことがあると祭壇を築いてきたようなので、「アブラムが神の祝福により勝利しますように」っていう内容かな。
この辺から我々に変なイメージが付いたんですね。
神の加護、勝利の女神、神風、辺りかな?
解説の複雑なお題ですのでここでは触れません。
14章21-24説の解説
訳:
ソドムの王がアブラムに言った「わたしには人をください。財産はあなたが取りなさい。」
アブラムはソドムの王に言った「天地の主なるいと高き神、主に手をあげて、わたしは誓います。
わたしは糸一本でも、くつひも一本でも、あなたのものは何にも受けません。アブラムを富ませたのはわたしだと、あなたが言わないように。ただし若者たちがすでに食べた物は別です。そしてわたしと共に行った人々アネルとエシコルとマムレとにはその分を取らせなさい」
解説:
人の勝利に堂々と便乗してソドムの王は厚かましいですね、、
それも「人をください」?権力者なんてくだらないモノを作り出すからこんな台詞がでるんですよ。
ようは働き手が欲しいという事ですよね。それ自体は問題なくても、人を所有する感覚が出来上がってます。在籍する感覚とは違いますね。在籍は相互に意見できるフェアな関係。所有は一方に権言があるアンフェアな関係。アンフェアな関係性は中のメンバーも外のメンバーも心底嫌悪します。
「すでに食べた食物は別だが、それ以外は求めない。あなたがソドムの王のわたしがアブラムを富ませたのだと言わないように。ただ自分と共に戦った彼らには財産を分けてやってほしい。」という仲間思いで、富名声に興味がない様子に好感が持てます。
これが書けるなら真っ当な価値観が当時の人はわかってるわけですよ。それを「天(大気)地(大地)の主(神/外)なるいと高き神(大気)」に誓うと。
自分に言ってるか他に言ってるか分からなくても皆んなに気持ちは伝わりそうです(笑)
「神に誓って」はこの辺りから来てるんでしょうか。「手を上げて」は選手宣誓と同じですか?だとしたら微笑ましいですね。
アブラムの役職は分かりませんが、王が話に来るくらい一目置かれる英雄みたいな存在のようですね。ギルガメッシュ以来の英雄でしょうか。