われわれの天敵|第5章 イギリスに対するアメリカ人の憎しみ|アメリカでの40年間(1821-1861)
Forty Years of American Life 1821-1861
Thomas Low Nichols
われわれの天敵
そうです、イギリスは暴君であり、アメリカは長い闘いの末にイギリスに負けない力をつけました。怒りと嫉妬に満ちたイギリスは再びアメリカを侮辱し、激怒し始めました。それが第2次英米戦争につながり、アメリカはここでも勝利しました。しかし、イギリスは依然として広大な近隣の領土を掌握し、アメリカの進歩を妨げています。イギリスはアメリカの勢力拡大を恐れ、繁栄を妬んでいるに違いありません。アメリカ人はイギリスを嫌い、憎んでいます。
アメリカ人はイギリスを2度「ナメて」きたし、また「ナメる」権利があるのです。アメリカにおいて、イギリスが戦争の相手だという考えがなかった時代がいつだったか、もはや私には思い出せません。ほんの短い期間を除いて、イギリス以外の国との戦争が起こりそうだという話を聞いたことはありません。フランスは私たちの最初の友人でした。おそらく我々はロシアの方がもっと好きです。クリミア戦争ではイギリスがフランスの同盟国だったので、我々はロシアに最大限の同情を示しました。我々はオスマントルコ・イギリス・フランスの同盟国がクリミアから追い出されることを望みました。あるいは、もし彼ら同盟国が何らかの成功を収めたとしても、我々はフランスが栄光をすべて失うことの方がまだマシだと思いました。
これは私が生まれた頃のアメリカ人の感情であり、少なくとも今日のアメリカ人の北半分の感情でもあります。南部はカナダと国境を接していません。独立戦争と第2次英米戦争、どちらの戦争でもそれほど紛争の舞台にはなりませんでした。南部にはアイルランド系の国民が大勢いるわけでもありません。アイルランド系の国民の投票は選挙を左右し、彼らが選挙に参加することで、アメリカ北部諸州では反英感情が高まるのです。
私がこれらの事実を述べるのは、互いに激しい憎しみの感情を呼び起こすためではありません。同じ人種、言語、文明、宗教の国々は友好国であるべきです。しかし、私たちは彼らイギリス人を最も辛辣で容赦のない敵と見ています。嘆かわしいことですが、この事実は隠したくても隠せないものではないでしょうか?
祖先の偉大な国に対して真の愛と心からの尊敬の念を抱いているアメリカ人が大勢いることも事実です。私がみんなが同じ考えではないことを認めていると理解していただきたいです。