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メリマック川|第10章 ローウェル|アメリカでの40年間(1821-1861)


メリマック川

私はもう何年もローウェルを訪れていません。訪れた人たちによると街は大きく変わったそうです。人口は 3 万 6 千人を超えました。アイルランド人が大部分を占めているので、ローマカトリック教会が 4 つあります。そこには工場の労働者​​が多数居住していますが、彼らは、あの長い荷馬車に詰め込まれて、白い日よけ帽をかぶってやって来たバラ色の田舎娘たちとはまったく異なる階級の人たちに違いありません。多くの大きな製造都市が、いろいろな種類の織物を事実上独占する高い保護関税によって成長し、その結果、アメリカの工場主がリバプールで綿花を買うことが可能になりました。その一方で、ランカシャーの 50 万人の労働者は綿花不足のために貧困に陥ったのです。

ローウェルには現在、総資本約 300 万ドル、織機 12,234 台、紡錘 40 万個、従業員 12,500 人を有する 10 の製造会社があり、1 週間に 250 万ヤードの織物を生産しています。教会は 20 軒、学校は数多くあり、新聞社は 4~5 社ほどあります。

この美しいメリマック川について一言述べておきたいと思います。この名前はインディアンに由来し、また、バージニア州ハンプトン・ロードで恐ろしい処刑を行い、南軍によって装甲艦に改造された米国の蒸気フリゲート艦にも付けられました。メリマック川は、ニューハンプシャー州ホワイト・マウンテンズの南麓で、2 つの轟く渓流が合流して形成されます。その後、流れの速い済んだ水は美しい谷を抜け、一連の急流を下って大西洋に流れ込み、南に約 80 マイルのローウェルまで至り、さらに東に35マイル流れて、その終点は美しいニューベリーポートの港となっています。メリマック川は何百もの工場のほかに、 4 つの大きな町であるニューハンプシャー州のナシュアとマンチェスター、マサチューセッツ州のローウェルとローレンスに水力を供給しています。私の計算できないほど多くの蒸気機関や馬や人員が働いています。その数はもしかしたら読者が覚えているのかもしれません。


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