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人生をかけた病との戦い、長い旅|第15章 ニューヨークからニューオーリンズへ|アメリカでの40年間(1821-1861)

Forty Years of American Life 1821-1861
Thomas Low Nichols


人生をかけた病との戦い

1840年の秋、私はロチェスターにいて政治雑誌の編集に従事し、ログキャビンとハードサイダーの大統領候補に反対する演説をしていました。そして、弁護士として活動している若いネイビーアイランドの船長がロチェスターにいるのを知りました。私たちは同じホテルに滞在していて、とても親しくなりました。5年後のことです。ニューヨークに住んでいた私は、ハワードホテルに会いに来てほしいという彼からの手紙を受け取りました。私は駆けつけ、そこに彼のかつての姿の亡霊を見ました。彼は結核で死にかけていたのです。勇敢に戦っていましたが、間違いなく負けてしまうだろうと思いました。よくあるように、彼はもっと暖かい気候の場所に転地して死を迎えることになりました。医師たちは、よほど病を治そうという断固たる意志がない限り、彼が生きられないと確信していたに違いありません。しかし彼は、少なくともこの病気においては最も確実な特効薬の一つである希望に満ちていました。なぜなら中には自信と決意で治る病気もあるからです。


長い旅

彼は私にワシントンへ、そしてそこから西インド諸島かフロリダへ一緒に行ってくれないかと頼んできました。私は断ることはできませんでした。それはつらい旅になるだろうし、彼の回復に関して言えば無駄な旅になるだろうと思えました。それでも彼は行く決心をしていました。彼は妻が一緒に行くことを許しませんでした。もし自分が死ぬ運命なのであれば、妻と子供たちには、家族のもとを去るまえの自分の姿を思い出してほしいからだと彼は言いました。私は前日に彼に連絡して、彼のもとへ向かいました。

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