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オルメイヤーの阿房宮

監督 シャンタル・アケルマン

闇の中で月明かりを反射させる水面、嵐で濁る川、オルメイヤーが語る「太陽は冷たく、海は黒い」を表す前半のシーンが映画全体を包み込む世界を表す。
 ニナが街中、森を横移動するシーンが多々あり、縦構図が多いイメージのアケルマンでは珍しいかも知れない。ニナと若い男が船上で視線を交わすシーンがとても美しい。ニナの父オルメイヤーとその義理の父にあたるフランス人の男の昼の暗い屋内での会話の構図も素晴らしかった。当て所ない先の見えない状態をよく表している。

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