高卒就職 社長、どういう求人票に応募が集まったか教えます!
高卒就職問題研究のtransactorlabです。問題解決を目指して調査研究と提言を続けております。今回はタイトルのとおり、どのような求人票に応募者が集まったか、教えてしまいます。募集担当者必見の内容です。
結論はこうです。
月給が当該地域の平均前後、かつ、年間休日数が110日以上
私は昨年、東京・大阪・秋田の3地域において、10月下旬と12月の2回ずつ高卒求人票のデータ集めを行いました。その調査時期にはこのような意味があります。
10月:1回目の採用試験の結果が出るころ
12月:2回目や3回目の採用試験が終わり、高卒就職がほぼ落ち着くころ
このふたつの時点で公開されている求人票群をそれぞれA群(10月)、B群(12月)とすると、A群のうちB群の中に存在しないものをあぶり出すことができます。消えたものをC群とします。
C群は公開中止になった求人票、つまり、充足したため公開を取り下げたものと推察できます。
上の結論は、B群(売れ残った求人)とC群(充足した求人)を分析比較した結果です。
概要はこうです。
月給の差:月給の平均額には大きな差はなかった。
年間休日数:東京では2.7日。大阪4.2日、秋田では7.2日もの差があった。
以下、調査結果概要を示します。
月給の最賃レベルラインは、地域の最賃額×7.25(時間)×22(日)で計算しています。
まず東京都から
月給平均はC群のほうが低い。これは東京都では母数が非常に大きいためだと思われます。
次に大阪府
散布図を東京と比較すると全体的に5~6千円分左に(安い方に)寄っていることが分かります。
B群とC群の月給平均には大きな差はありませんが、年間休日数では4.2日の差が出ました。散布図Cを見ると、105日を切る年間休日数ではほとんど充足していないことがわかります。
C群の月給平均が最賃レベルラインより28,772円も高い点にも注目してください。最賃ギリギリではとうてい人は採れない、ということが分かります。
最後に秋田
秋田は、地域別最低賃金が792円と最も低い7県(秋田、鳥取、島根、高知、佐賀、大分、沖縄)のうちの一つです。東京(1013円)、大阪(964円)と比較すると約3万円分ぐらい左(安い方)寄りだということが分かります。
年間休日数では7.2日という大きな差が出ました。これは、東京や大阪と比べて、100日を切るような休日数の少ない求人票の割合いが高いためだと思われます。
給与が低いことは最低賃金の差から理解できるとしても、「休みも少ない」求人票がこれほど多いことを非常に残念に思います。
最低賃金の低い地域はおそらくどこも同じような状況だと思われます。
私は考えてしまいます。
これで若い人たちが自立し、生き生きとした生活を営むことができるのでしょうか?
若い人たちが結婚し、暮らしを立て、子どもを産み育てるのに十分な糧を得られるのでしょうか?
その議論はまた別の機会にするとして、
さて、求人事業者の皆さん、若い人が必要で採用したいが求人待遇条件を急に上げるわけにはいかない、という事情はわかります。
しかし、相場は今、こうなっているのです。
今まさにハローワークに求人申請を出さんとしておられることと思います。
今一度、相場情報と照らし合わせてみてください。
このホームページで全国の相場情報を提供しております。
また、今回の3地域定点観測結果の詳細データも載せてあります。事業所規模や資本金の比較も行っています。どうぞご覧下さい。