【英語学習】トレーニングと目的をごちゃまぜにしないように
英語学習にはさまざまなトレーニング(訓練)手法があります。今回の記事では、要素的な技能に着目してそれを鍛えることが重要であることを説明します。
トレーニングは技能ではない
英語は 4 技能でわけて考えることが一般的です。そして、よくある勘違いが、習得したい技能そのものを繰り返しおこなおうとするアプローチです。つまり:
リスニング→たくさん聞いてトレーニング
リーディング→たくさん読んでトレーニング
ライティング→たくさん書いてトレーニング
スピーキング→たくさん喋ってトレーニング
ということなのですが、これ、すこし変だと思いませんか。たとえば、ブラインドタッチ(タッチタイピング)の習得をゼロから目指すとして、毎日キーボードを見ずに何か文字を画面に打ち込む練習だけをしますか。
何が言いたいかというと、目的の操作だけをそのままおこなうことはトレーニングとはいえない、ということです。リスニングを鍛えるならたくさん聞こう!という話には、ブラインドタッチを習得するならとにかく打鍵しまくろう!みたいなおかしさがあります。
シンプルイズベスト。要素分解して考える
トレーニングはシンプルイズベストです。そのため、鍛えたい技能を要素分解して、分解した要素のうちのひとつだけに着目してそこの操作だけを行う方がよいです。たとえば、リスニングの技能は以下のように分解できます。
リスニングは音の理解と意味の理解に分解できる
音の理解には分節的特徴の理解と超分節的特徴の理解に分解できる
英語の分節音は母音と子音である
英語の超分節音にはイントネーション、アクセント、リズムがある
ここまで掘り下げてはじめて、リスニングを鍛えるために何をすればよいかがわかってきます。そして、上記をふまえると:
英語の母音と子音に何があるかを理解して、その特徴を理解する
イントネーション、アクセント、リズムの基本について理解し、実際に運用される英語の超分節音だけに着目してこれを観察する
音が意味に変換、あるいは意味が音に変換される様子を、単語レベルや文レベルのなどのシンプルな形で体験する
などのシンプルなトレーニング手法を開発できます。やることがより specific になっているので、取り組みやすいはずです。
そして、要素的な技能をある程度鍛えたあとにはじめて、いわゆる「リスニング」をやります。この最後の作業は確認的要素が強く、鍛えた要素技能がきちんと目的の技能(リスニング力)に反映されているかな、とチェックする段階です。
また、1 回でリスニング能力が完成することはないので、確認とトレーニングは往復してループすることになります。リスニングを行い、聞こえない箇所と聞こえない理由を洗い出し、それをFBとしてトレーニングに反映させる、ということです。
さいごに
話す、聞く、書く、読むのいずれかそのものを行うだけの手法は、やや視野が狭いように感じます。要素技能を鍛えて全体に貢献させる、という考え方のほうが、達成感も味わえますし、よいと思います。「量に依存する学習方法は存在しない」でも説明していますが、ひたすらこなす、量をこなすという思考停止的アプローチは、たいていの場合うまくいきません。
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