ネイティブが云々かんぬんのコンテンツにうんざりしてきた
ネイティブという枕詞を多用するコンテンツはあふれんばかりに生産されています。これ、なんとかしたほうが良いのではないでしょうか。
僕は、このテンプレートにうんざりしているのですが、消えるどころか勢いが加速しているように感じます。この記事では、枕詞ネイティブの濫用に関する概要と、それに対する意見を説明しています。
枕詞ネイティブの特徴
枕詞に「ネイティブ」を使う人の意図は上下の対比です。つまり、ネイティブの優れている点を示して、ノンネイティブとのコントラストを示す。それに続けて、持論や自分のサービスへの誘導を行う、というのが、一種の伝統芸能みたいになっています。また、枕詞ネイティブの使用者はなぜかノンネイティブが多数派です。
ネイティブの優れた点(?)を説明して、それを学べ、取り入れろ、という上から下に流れるアプローチです。ネイティブ=優秀、という共通の思い込みがあるからこそ、「いかにも」なイメージに人がどんどん吸い込まれていくのだと思います。
これは、欧米列強に追いつき追い越せの動きとほとんど同じです。お手本があり、そこを目指せばよいという、ある意味非常に明快な構図であるため、ネイティブブームに発展しやすいのでしょう。
理想的なのは左右の対比
ネイティブとノンネイティブを比較するなら、上下の対比ではなく左右の対比です。ある言語の獲得に対する経路の違いを強調して、両者の特徴を示す、これが健全な区別です。左右のコントラストなので、優劣はありません。
具体例で説明します。まず、音声言語学的アプローチで母語の発音をマスターした人はいないでしょう。日本語スピーカーの中で、IPAのチャートを使ってていねいに母語の発音を覚え、「ネイティブ日本人」のきれいな発音を覚えた、というケースはないはずです。
わをんの「ん」の音が6種類あること、なにぬねのの「に」の子音は /n/ じゃないこと、しゃしん(SHASHIN)とあんぱん(ANPAN)の「あ」の音は同じではないこと、などをほとんどの日本人は知らず、説明されてはじめて「言われてみれば確かに~」となります。逆に、(たぶんですが)ノンネイティブ日本語学習者はこのあたりの音的特徴は理解していると思います。
もっと言ってしまうと、左右の対比すら意味がないように感じます。獲得経路は実際に現場で使用される英語には関係ないので、ネイティブ、ノンネイティブで比較することの意味すらないんじゃないかと思います。
とにかく、いかにもネイティブ、みたいな要素に吸い寄せられて消耗する伝統芸能は、時間の無駄なのでやめにしたほうがいいと思います。
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