英語喉はない
「英語喉」を用いることで発音が改善される、と主張する喉派の人が一定数いるのですが、僕はこの話はおかしいと考えています。今回は、英語喉なんてないよ、喉は喉だよ、という話をします。
「英語喉」の概要と問題点
日本語の口発音に対して英語は喉発音である、喉発音を習得すれば発音記号やマウスシェイプなどの細かい話を気にしなくてもいい、喉発音ですべて解決!という話なのですが、これには誤りがあります。
まず、声は喉からしか出ません。非肺臓気流機構、つまり、肺以外の場所から気流を持ってきて音を出すメカニズムもたしかにありますが、英語で採用されている音はすべて肺気流をつかっています。喉で発音しよう!と言う以前の問題で、そもそも声は喉からしか出せない、ということです。
そして、喉(声帯)でコントロールできる要素はどれくらいの張力を張るかだけ、肺気流をどの程度の開き具合の穴に流し込むかだけです。これは、音の高低、および弁を閉じて気流をストップさせる声門閉鎖という操作に関わります。
※音量も声帯の震え方で変わりますが、これは声帯がコントロールしているのではなく、流し込む気流の程度でコントロールされます。声帯が自分自身の力でプルプルしているわけではなく、肺気流を受けて振動しています。
ここまでで、喉(声帯)でコントロールできる要素は音の高低のみである、ということを確認しましたが、この事実が、「喉はどうでもいい」という重要な結論につながります。
発音と発声は別物
ここまでの説明でもまだ腑に落ちない人は多いと思います。というのも、日本人の英語は平べったい、対してネイティブの英語はディープな音色だな、と確かに感じるからです。
ただ、この音色の違いはけっして喉の違いではなく、声帯に肺気流を流し込む前の、さらに上流側の話である発声法の違いに起因します。声帯に気流を流し込む際に、どのようにその気流を持ってくるかの違いで音色が変わってくるということです。
また、英語の場合、口の中の容積を大きくとって発音する、ディープな音色の後舌母音が、おそらく日本語よりも多く登場します。このことも、日本語と英語の音色の違いに関わってくるのですが、これも決して、喉の違いではありません。繰り返しですが、喉は喉です。
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