なぜネイティブスピーカーだけを参考にしたがるのか

ネイティブを参考に、ネイティブのお手本をまねて、というのは間違ったアプローチではありません。お手本としてネイティブを使うことは正しいアプローチなのですが、ネイティブだけを使いたがる、言い換えると、ノンネイティブを参考にしたがらない人たちが多いです。今回はこのあたりの話をします

ノンネイティブが圧倒的多数派

まず、ノンネイティブのほうがネイティブより人口が圧倒的に多いという事実があります。

Of 1,453 million speakers of English, 373 million are native speakers (those who speak English as their first language) and 1,080 million are non-native speakers (those who speak English as their second language).
英語話者14億5,300万人のうち、3億7,300万人はネイティブ・スピーカー(英語を母語として話す人)です。10億8,000万人は、ノンネイティブ・スピーカー(英語を第二言語として話す人)です。

https://lemongrad.com/english-language-statistics/

この事実を踏まえて、ゼロベースの視点で考えると、ネイティブだけを参考にする、という態度は、ものすごい偏ってると感じませんか。まずノンネイティブを参考にして、その次にネイティブを参考にする、というのが自然であるように僕は感じています。

ノンネイティブから学びを得るメリットは大きい

まず、ノンネイティブの英語はネイティブよりも劣る、というのはただの思い込みです。ノンネイティブ上級者はたくさんいて、その人たちの英語を参考にすることは、かんたんにできます。

そして、ノンネイティブ上級者からまず参考にすることのメリットは、最大公約数的な表現を優先的に学べることです。新語やスラングなどの表現が出てくることはほとんどなく、誰にでも理解させることができるスタンダードな表現が多く登場しますから、学習の効率はよくなるはずです。

また、ノンネイティブ初学者から参考にすることも、やろうと思えばできます。ノンネイティブ初学者の英語にはその人の母語の影響が色濃く反映されていますが、そこから、その人の母語の特徴がにじみ出ている様子を汲み取り、「このような母語のバックグラウンドがあるから、そのように言ってしまうんだな、ふむふむ」と、学習対象のリーチを英語以外の領域に展開することもできます。

さいごに

ネイティブスピーカーをまねよう、参考にしようと意気込むのは結構なことですが、それ以外を排除するのはよろしくありませんし、何もメリットがありません。

ノンネイティブが多数派であり、必然的にノンネイティブ同士の英語コミュニケーションが数多く発生するのですから、ノンネイティブスピーカーを優先的に参考にすべきです。また、さまざまなノンネイティブの英語に触れることで、英語といういち言語の枠にとらわれない幅広い知識の領域にリーチできますから、ノンネイティブを観察するほうがシンプルに楽しいと思います。

ネイティブ信仰の不毛さについては、「ネイティブ信仰と発音学習について」でも説明しています。

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