英語ペラペラは必ずしもよいことではない

皆さん、英語をペラペラと話したがるのですが、「ペラペラ」は必ずしも褒められた話ではありません。この記事では、「ペラペラ」とは何かをもう少し掘り下げて説明し、「ペラペラ」であることが問題になることもあることを紹介します。

ペラペラとは何か

  • 単位時間あたりの発話量が多い(wpm換算で180以上)

  • ひとつのチャンク(意味的ひとまとまり)が大きい(1チャンク10~20ワードくらい)

  • チャンクとチャンクの空白が短い

といった要素を兼ね備えていることが、「ペラペラ」であるといえます。

まず、上記3つの要素のすべてに共通していることとして、単に程度(量)が違うだけで、ペラペラとペラペラではない話し方には本質的な違いがないことがわかります。上記3項目の程度が甚だしければ、それはペラペラであると表現できます。

ペラペラのメリットとデメリット

ペラペラのメリットは、単位時間あたりの情報量が増えるため、短い時間枠でたくさんの情報を伝えられる点です。今風の言い方をすれば、ペラペラはタイパに優れていて忙しい人向けである、といえるかもしれません。

そして、ペラペラのデメリットも存在します。親しい人、たとえば友人などのすでに知り合っている人との会話の場合にペラペラは問題になりませんが、はじめましての人に対しては、極端な弱化や同化の発生のために伝わりにくくなります。相手がペラペラ英語を処理できない場合、同じことを何度も繰り返して説明しなければならなくなるため、結果的に尺を使ってしまいます。

ネットを眺めていると、ネイティブの速い英語が聞き取れない!という悩みを持つ人が多いみたいですが、個人的にはそこに時間を割くことはあまり優先しない方がいいと考えます。ペラペラ英語を聞き取れない!と嘆くのは、電車の中の人のボソボソ日本語の会話が聞き取れない!と嘆くようなもので、基本的に不毛です。

ペラペラ英語は丁寧ではない

日本語でも、日常でしょうもない話をすることもあれば、大事な話をすることもありますよね。そして、大事な話を「ペラペラと」話す人はいないと思います。ペラペラは丁寧ではなく、また、大事な話をする際には、急いで短い時間枠でメッセージを伝える必要性がないからです。

ペラペラ英語は丁寧英語を崩した(雑にした)ものです。決して、ネイティブが話すペラペラ英語は英語の究極完全体ではなく、親しい人同士でカジュアルに(やや雑に)話すための簡便な手段です。

ペラペラ英語は丁寧ではないわけですから、もし聞き取れないのなら、どちらかといえば話し手に過失があります。その際に、もっと丁寧に話してくれ、と伝えればよいだけです。

さいごに

ペラペラを無理して目指す行為は、今流行りの言葉の「タイパ」を追いかける行為に似てて、何かが間違っているわけではないのですが僕はあまり推奨しません。ものごとには優先順位がありますから、それ以外の重要な要素に学習のリソースを割り当てた方が良いと思います。

また、丁寧に話して何か困ることはありません。丁寧に話すと、カジュアルなシーンで丁寧な印象を与えることになりますが、それはそれでよいですよね。ペラペラ英語ではなく丁寧英語を目指しましょう。

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