英文法の裏に潜む英語の「感覚」とは何か
僕は、イメージが想起されたら自然と単語を並べてしまう、という状態にもっていくことが英語学習で大事である、という意見を持っています。今回は、そのような英語の感覚に関して、5 文型を例を挙げて説明します。
例 1:SV(主語+述語)
SV は、主語と述語だけで構成される 5 文型のなかで最もシンプルな型です。S のところに入る語句と V のところに入る語句はそれぞれ 2 単語以上になることももちろんありますが、S が 1 単語、V が 1 単語の合計 2 単語になることも十分あります。たとえば:
It swings. それが揺れる。
It hops. それが跳ねる。
It spins. それが回る。
It burns. それが燃える。
It shines. それが光る。
などです。
ところで、原始人になった気持ちで考えてください。そして、「オマエ、ニンゲン、オマエ、ニンゲン、ウホホ」と言ってみてください。
そのとき、どんな気持ちになりましたか。「オマエ、ニンゲン、オマエ、ニンゲン、ウホホ」は、日本語の助詞を使わず単語を並べただけなのですが、オマエ=ニンゲン、というイメージが、自然と構築されませんでしたか。
そして、英語の SV も、「オマエニンゲン」の感覚と似ています。S の状態、性格、様子などを V で説明する SV の感覚は、「オマエニンゲン」の感覚ととても似ていて、「オマエニンゲン」の感覚は SV にそのまま輸入できます。
冒頭で示した例文はいずれも 2 語からなるもっともシンプルなものですが、単語の数が増えてひとつの文のボリュームが増えても、SV の「オマエニンゲン」の感覚が変わることはありません。
例 2:SVC(主語+述語+補語)
SVC も、さきほどの「オマエニンゲン」の考え方で感覚を捉えることができます。ポイントは、V ではなく VC になっていることです。
ところで、僕が好きな映画「パシフィック・リム」には、以下のようなシーンがあります。
You! Shut up! You… keep talking.
お前は黙れ!お前は…話を続けろ。
この動画でまず感じてほしいのは、S と V、および S と VC の「間」です。you と shut up の空白、および you と keep talking の空白を、動画をよく見て感じてください。
you shut up も you keep talking もいずれも 3 ワードの文ですが、間を意識して聞いてみると、それぞれの文が、「ひとかたまり×2」になっているようにに感じませんか。[you] [shut up] および [you] [keep talking] ということです。
この、かたまりが 2 つ並べられている様子はまさに、「オマエニンゲン」と同じです。ここまで理解できれば、SV の感覚の応用が SVC になっていること、You keep talking. は S を VC で説明していることがわかります。もちろん、SVC のそれぞれの構成要素が 2 単語以上になっても、感覚は変わりません。
さいごに
英語には文型が 5 つありますよ、それぞれこうなってますよ、と言われても、理屈の上では理解できますがなぜそうなっているのかまでは見えません。パシフィック・リムの動画をよく観察することで今回理解できたように、文法の裏に潜む感覚は、観察で理解する必要があります。
「感覚」は言葉ではなかなか説明できないものですが、実際に運用される英語をよく観察してみれば、「たぶんこんな気持ちだろうな」というのがわかります。その気持ちをこちらにトレースすることが、英語学習のひとつの目的です。
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