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ジーン・ウェブスター「Dear Enemy」ペンギンブックスp.313~314

(続き)

金曜日
 昨夜、羨ましさではちきれそうになりながら、プレザントビルから帰ってきました。どうか会長さま、灰色のしっくい塗りのコテージを何棟かお願いします。正面にルカ・デッラ・ロッビアの彫刻を焼きつけてあるのがいいです。あそこの施設には700人近い子どもたちがいて、みんな大きい子どもたちなの。まあ当然、うちみたいに乳児から大きい子まで107人っていうのとは、また違った問題を抱えているんでしょうけど。でも、でも、あちらの院長先生から、とってもいいアイデアをいくつかいただいたわ。うちの子たちを、大きい子と小さい子で組ませて、兄弟姉妹ってことにしようと思うの。大きい子たちは、小さい子たちをかわいがって、助けてあげて、守ってあげる。サディ・ケイトお姉さんは、小さな妹のグラディオラの髪がいつもきれいにとかしてあるか、靴下がずり落ちてないか見てあげて、勉強の進捗を確認して、妹がかわいがってもらえてるか、キャンディをちゃんともらえたか気にかけて――グラディオラもすごく嬉しいと思うけど、むしろこれで成長できるのはサディ・ケイトなのよ。
 それと、年長の子どもたちには、制約つきではあるけど自治会みたいなものを始めさせてみようと思って。私たちが大学でやってたようなの。世の中に出たときに、自身を律していくことができたら助けになるでしょう。子どもが16歳になったら世間に放り出してしまうなんて、すごく冷酷なことに思えるわ。うちの子では5人がそろそろその年齢だけど、私はどうしてもこの子たちを放り出す気になれない。その年頃の自分がどれほど無責任でばかだったか、ってことを思い出してばかりよ。もし私が16歳で働かなきゃいけないことになってたら、一体どうなってたかしら!
 この手紙はもう終わりにしなきゃ、これからワシントンにいる議員さんにも面白い手紙を書かなきゃいけないから。これ難題なのよ。議員を楽しませるって言っても、何の話題を出せばいいのかしら? 私にできることなんて、子どもたちについておしゃべりすることだけだし、彼のほうは、全世界から子どもが消え去ったとしても全然気にならない人だし。あ、ううん、もちろん彼だって気にするわよね! うっかり悪口になっちゃった。子どもは――少なくとも男の子は――いずれ有権者になるんだものね。

さようなら
サリー

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