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3年前のインターンから見えた、自分らしい生き方って?
「広い意味での編集力の学び」
2021年7月、ローカル×ローカル(通称:L2)でのインターン生活が始まった。
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私たちインターン生は、ゲストハウス業務をする代わりに、様々な体験や経験を積む機会が与えられる。
その中でも特に印象に残っていることは、南伊豆新聞の編集長であり、マンガ家でもある一徹さんが、希望者のインターン生に対して「編集のノウハウ」を教えるというワークショップ。
「編集」と聞くと本や雑誌、テレビなどを想像するが、このワークショップでは「編集力」がもっと広い意味で捉えられていた。
「編集というのは日々だれもがやっているもの」という一徹さんの言葉に、私の頭にはたくさんのハテナが浮かんでいた。
私が分からなさそうにしていると、一徹さんは「ファッション」を例に挙げて話し始めた。
周りの人にどう見られたいかを意識して、洋服やアクセサリーを選ぶ。
これも一種の編集だという。
(詳しくは一徹さんの記事を読んでみて欲しいっす!)
ワークショップでは、「広義な編集」をベースに、インタビュー力や発信力、企画の立て方など、さまざまなことを学んだ。初めて耳にすることばかりで、ほぼ毎日のように新しいことを吸収した。
私にとっては、全てが新鮮で興奮を覚えるばかりだった。
まるで初めての遊園地に来た子どものように、興奮が抑えられず、
学んだことは自分のノートに書き留めた。
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「高速トライ&エラー」
編集のワークショップ以外にも、一徹さんから学んだことで強く心に残っていることがある。それは「高速トライ&エラー」だ。
その言葉通り「L2では高速トライ&エラーしてたくさん試したいことやってね〜」と無邪気にやらせてくれる場が作られていた。
それまで、行動を起こす前に不安にかられ、結局何もできずに後悔することが多かった。
だから、その言葉は本当に嬉しいものだった。
もちろん、全てが一変したわけではないけれど、何かに取り組もうと思った時には、「まずやってみて、その後で修正すればいいや」という気軽さを手に入れることができた。
ここで書いた編集のワークショップの内容は、ぼくが滞在した2ヶ月間のうちのほんの数日の内容なので、この時点で気になります〜って方は
是非ともインターンにいくことをオススメする。
「自分らしい生き方を編集する」
ここまで書いてみてL2でのことを書くと人との出会いで価値観がアップデートされたと感じる。
L2には、一徹さんの友人や知人、L2のコンセプトに共鳴した人がよく来ていた。
ゲストさんが最初に宿に到着してきた理由などを聞くのですが
「一徹の友人で、、」
「前一緒に世界一周して」
「イベントで一緒になって」などなど。
みなさん個性豊かで、デザイナーやカメラマン、本の編集者、旅人、さらには仕事を辞めた人など、様々な職業、肩書きのゲストが集まっていた。
これまでの人生では出会ったことのない人たちだらけだったので、気になってたくさん話を聞いた。
特に夜になると、L2の1階にあるバーカウンターで、ゲストを相手に僕がバーマスターになりきって、毎晩のように酒を飲みながら話したり、人生相談にのってもらうことがあった。
元々、人の話を聞くのが好きで、ゲストの仕事や生き方について深く聞き入ることが楽しかった。
それに加えて「編集のワークショップ」で学んだインタビューの技術も活かすことで、時間も忘れるくらいに話すこともしばしば。
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「もう深夜2時かぁ、、、」
って何回思ったことか笑
毎晩のように彼らと話をしているうちに「仕事」「生き方」のイメージが広がった。
「えっ!?そんな生き方ありなの?」
かつての「仕事」に対するイメージは、
朝9時に満員電車に揺られて出勤し、17時になったら帰る。
それが当たり前に正解だと思っていた。
だけど、そんな正解は自分の中だけのことだと気付かされた。
また、インターンでは「南伊豆くらし図鑑」に参加することができる。
「南伊豆くらし図鑑」は、南伊豆での営みや暮らしを体験するプログラム。
地元の人と一緒に作業したり、生活にお邪魔しながらゆっくりと対話する機会。
ぼくは、住職さんから座禅を学び人生相談に乗ってもらったり、
自給自足をしている方の家にお邪魔して一緒に1日を過ごしたりした。
自分らしい生き方や働き方を実践している南伊豆の人は、ぼくの目には楽しそうに写っていた。
「ぼくもいつかこんな暮らしをしてみたい」
インターンに応募したのも、「今の環境を変えたい!」「人生に刺激がほしい!」と思い、全く新しい環境に飛び込んでみた。
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ぼくはとにかくいろんな人と自分を比べてしまう人間。
スマホのニュースに「期待の新人26歳!!大活躍!」って記事のタイトルを見つけただけで、また同い年が有名になっているのに俺何してんだろう、、、
って勝手にしょげるくらいもろく弱い心。
だけど、南伊豆での自分らしい暮らし方や仕事している人たちに出会って、
人生ってもっと遊んでいいし、自分で作っていいんだと思うようになった。
ガチガチに凝り固まった考えがL2で出会った人たちの生活や考えに触れることでどんどんと柔らかくなっていった感覚だった。
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「L2でのインターンが今の暮らしを支えている」
インターンを終えてからも不思議なもので、L2での出会いが仕事に繋がることがある。
現在、ぼくは横浜にある「ニューヤンキーノタムロバ」という1年間限定のシェアハウスに携わっているのだが、それもL2のゲストとの出会いがきっかけだった。
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さらにインターン中に親しくなったゲストの紹介で長期の仕事を頂いたこともあった。
南伊豆でインターンをしたことによって、僕の今の暮らしがある。
だから僕はL2にめちゃくちゃ感謝している。
インターンを終えてからも定期的に南伊豆にもどることがあるが、
その度にまちが進化していることに驚きを感じる。
新しい本屋さんが増えたり、馴染み深いお店がパワーアップしていたり。
そして一徹さんがアクティブに新しいことに挑戦し続ける姿を見る度に、
自分も頑張らなきゃと思うことができる。
安直にアナザースカイ的なことは言いたくないけど、僕にとって南伊豆は、
ただの思い出ではなく、「もう一度頑張らせてくれる場所」だ。
「ローカル×ローカルでインターン募集中!」
最初の方で案内したけどもう一度。
L2では、現在、夏のインターンを積極的に募集しています!
進路に悩んでいる方や、人生に少しのスパイスが欲しい方にぜひともオススメです!
ゲストや南伊豆の人と話したり、編集のワークショップを通して自分自身を見つめ直すきっかけになるかも!?
「あっそういえば」
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編集のワークショップでもう一つ思い出したことがあった。
「文章を書く際には、相手のことを思いやって、まるでラブレターを書くように丁寧に書くこと」。
文章を通じて届けたい相手や受け取る側の心情を大切にすることが重要だという。
この文を書き始める時、3年前の自分の思いを浮かべながら書いていました。しかし、書き終わるにつれて、一徹さんや南伊豆の方々、一緒にインターンしていた仲間たちを思い浮かべるようになっていました。
6月にいこーっと。