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ずっとそばに居たくて #言葉を宿したモノたち

 僕のことを上手く扱える人は、きっと君くらいかもしれない。自分ではあまり分からないけれど、僕は意外と気難しいところがあるみたい。たまに面と向かって「お前ってなんか重くて面倒くさそう」なんて言う人もたまにいるけれど、あれ、なんなんだろうね。
 でも君は、何故かいつも一緒にいてくれるよね。言葉にはしていないけれど、正直感謝しているよ。

 僕たちって結構色んな場所を旅しているよね。こないだ行った港とか、思ったより楽しかった。
 瞬きする度に変わってゆく景色をずっと眺めるのって、飽きないね。

 でもさ、君って意外と良い思い出を忘れていること多くない? 
 この前もあのカフェ行ったのいつだっけって言ってたよね。僕があの日のあの時間だよって記憶していたからよかったけど、僕だっていつか忘れてしまうときがきっと来るんだから、その前にきちんとそういう思い出は大切に取っておいてね。

 でもまあ、頼られるのはそんなに悪い気しないし、君が覚えておきたいことは、しばらく僕が覚えておいてあげるよ。これからもよろしく。



 恥ずかしいから直接君には絶対言えないけれど、

 君が僕を頼る瞬間、君はその潤んだ瞳を僕に近づけて、

 そして一瞬だけ息を止めるんだ。

 君はそこにある空間を掴み取ることに
 
 真剣になっているけれど、僕は君のその姿そのものを
 
 とどめておきたい気持ちになるんだ。

 

 ねえ、僕のこと、誰だか分かる?




 ⌘こちらの企画に参加しました⌘

仲 高宏さんの #言葉を宿したモノたち


 楽しそうな企画だったので飛び入り参加してみました。
 参加者の方々の作品を鑑賞するのもワクワクしましたし、自分で書いてみるのもとても楽しかった!素敵な機会をありがとうございます♫
 CODE部分で答えがすぐ分かりそうなので難しいかもしれませんが、大喜利ウェルカムです!
 






ここまでお読みいただきありがとうございました。 いただいた御恩は忘れません。