【コロナ後】出社が減れば長距離通勤もアリ?—「とかいなか」的ライフスタイルの候補地を探る(その2)
1.はじめに
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、人との接触を減らすため、多くの職場でテレワーク(在宅勤務)が導入されています。働き方改革の一環として、終息後もテレワークを導入する企業は多いと考えられます。
テレワークが定着して出社する日数が減ると、「高い家賃を払ってでも職場へのアクセスが良い場所」から「職場まで多少遠くても、環境が良く、休日はすぐに自然にアクセスできる場所」というように、居住地を選ぶうえで優先順位が変わってくる可能性があります。「とかいなか」のように、都市と郊外のいいとこ取りをするようなライフスタイルが一層見直されるかもしれません。
そこで、都心にも関東周辺のリゾート地・観光地にも容易にアクセスでき、着席通勤が可能なエリアをピックアップして、東京都心へのアクセス事情を探ってみます。
(「その1」では東京都心から普通列車で1時間程度の場所を中心に取り上げましたが、「その2」では新幹線や特急の利用を前提として、都心から60~90分程度の場所にスポットを当てます。)
2.各エリアと東京都心へのアクセス事情
朝は都心のターミナル駅に9時ごろ到着、夕方は18時ごろの電車で帰宅すると仮定し、都心までの所要時間、着席可能な電車や料金などについて記載しました。
(時刻・料金については2020年4月現在。運賃はICカード利用の場合です)
・熱海(東海道新幹線)
朝:47分
(熱海8:16→東京9:03、
こだま)
夕:37分
(東京18:03→熱海18:40、
ひかり)
運賃・料金:片道3740円
(自由席)
新幹線なので高めですが、とにかく速い。帰りは30分台で着きます。熱海は人気が再燃しているようなので良いかもしれないですね。16両あるので自由席でも座れるはずです。
・箱根湯本(箱根登山鉄道)
(新宿方面)
朝:112分
(箱根湯本6:50→新宿8:42、
小田急ロマンスカー)
(小田原で乗換)
夕:92分
(新宿18:00→箱根湯本19:32、
小田急ロマンスカー)
運賃・料金:片道2121円
(朝、全車指定席)
片道2321円
(夕、全車指定席)
(東京方面)
朝:63分
(箱根湯本8:00→東京9:03、
こだま)
(小田原で乗換)
夕:55分
(東京17:57→箱根湯本18:52、
こだま)
(小田原で乗換)
運賃・料金:片道3600円
(自由席)
新宿から夕方の下り以外は、乗換えが必要です。小田急ロマンスカーが朝、箱根湯本から新宿まで直通がないのが想定外でした。アクセス的には熱海に軍配が上がります。
・大月(JR中央本線)
朝:72分
(大月7:52→新宿9:04、
かいじ)
夕:62分
(新宿18:30→大月19:32、
かいじ)
運賃・料金:片道2362円
(全車指定席)
富士急ハイランドや河口湖方面へ行くときに分岐する大月。河口湖からの電車通勤は現実的でないので、大月をピックアップしました。特急利用で1時間ちょっとでアクセス可能です。ちなみに河口湖までの高速バスは、バスタ新宿から105分で2000円です。
・甲府(JR中央本線)
朝:92分
(甲府7:40→新宿9:12、
あずさ)
夕:91分
(新宿18:00→甲府19:31、
あずさ)
運賃・料金:片道3890円
(全車指定席)
在来線特急なのでけっこう時間はかかりますね。休日は温泉やワイナリー巡りができそうです。高速バスでは、バスタ新宿まで130分で2200円です。
・秩父(西武秩父線)
朝:84分
(西武秩父7:45→池袋9:09、
ちちぶ)
夕:85分
(池袋18:30→西武秩父19:55、
ちちぶ)
運賃・料金:片道1496円
(全車指定席)
秩父はけっこう穴場かもしれません。それほど距離はないですが、明らかに東京とは違うところに来たという感じがします。特急に乗っても安いですね。
・軽井沢(北陸新幹線)
朝:70分
(軽井沢7:42→東京8:52、
あさま)
夕:67分
(東京18:04→軽井沢19:11、
はくたか)
運賃・料金:片道5490円
(自由席)
金額は高いですが、アクセスは悪くありません。夏の間だけでも軽井沢に住みたいですね。ちなみに草津にも行きやすいです。
・越後湯沢(上越新幹線)
朝:86分
(越後湯沢7:22→東京8:48、
MAXとき)
夕:77分
(東京18:12→越後湯沢19:29、
MAXとき)
運賃・料金:片道6260円
(自由席)
こちらも金額は高いですが、時間的には何とか通勤可能ですね。駅近のリゾートマンションは10万円からあります。
・那須塩原(東北新幹線)
朝:71分
(那須塩原7:53→東京9:04、
やまびこ)
夕:72分
(東京18:08→那須塩原19:20、
なすの)
運賃・料金:片道5890円
(自由席)
那須塩原も十分に通勤可能です。条件的には軽井沢に近いですね。
・水戸(JR常磐線)
朝:97分
(水戸7:26→東京9:03、
ひたち)
夕:75分
(東京17:53→水戸19:08、
ひたち)
運賃・料金:片道3890円
(全車指定席)
朝はラッシュ時に当たるので時間がかかります。ちなみに高速バスでは、東京駅まで130分ほどで2120円です。
3.まとめ
ここでは、新幹線や特急利用を前提として、東京都心から60~90分程度の9か所をピックアップしました。新幹線を使えば、熱海や軽井沢などのリゾート地も選択肢に入ってきますね。遠距離通勤の最たる例として軽井沢からの通勤がテレビで取り上げられたりもしますが、今後、テレワークが浸透してオフィスへ出社する回数が減ってくると、選択肢として「アリ」だと思う人が増えるかもしれません。